近年のオウンドメディアは、ツールを使用した分析や施策は必要不可欠です。貴社のオウンドメディアの目標を達成するためにも、ツールの導入を検討し、運用に活かすようにしましょう。
本記事では、オウンドメディアの運用で悩んでいる方向けに、オウンドメディアで結果を出すために必要なツールを紹介します。
これからオウンドメディアを運営を始める/運営している方は、ぜひ参考にしてください。
オウンドメディア運営で必要なツールとは?
オウンドメディア運営で必要なツールは主に下記の3つに分けられます。
・サイト構築系ツール
・市場分析系 ツール
・キーワード検索ツール
オウンドメディアの目的にあわせて適切なツールを選択しなければ、大きな効果は期待できません。ここでは3つの種類に分けて、それぞれツールについて紹介します。
サイト構築系ツール
サイト構築系の代表的なツールは下記が挙げられます。
・WordPress
・MODX
・Wix
・Ameba Ownd
・bacer CMS
・SOY CMS
・Jimbo
・BiNDup
・Strikingly
・CMS BlueMonckey Knouwus
・infoCMS
・はてなブログMedia
・Geeklog
WordPress
WordPressは、個人ブログから大規模なサイトまで、Web上の43%のサイトが利用している世界中で最も人気のあるCMSのひとつ。 WordPressはオープンソースのプラットフォームであり、誰でも無料で利用することが可能です。
WordPressは、初心者でも簡単に使えるように設計されていて、コンテンツの作成や編集/公開までかんたんに操作ができます。また多数のテーマやプラグインが無料で提供されており、ユーザーがサイトの外観や機能を55,000個以上のプラグインの中から選択してカスタマイズをできることが大きな特徴です。
さらにWordPressはSEOに優れており、検索エンジン最適化のための多数のプラグインが提供されています。適切なプラグインを選択することで、検索結果の上位表示が期待できるかもしれません。
WordPressは日本のコミュニティで毎月イベントを開催しているので、不明点や問題点が発生しても、すぐに解決できることが魅力といえます。
最もメジャーなCMSであるが故に、ハッキングなどの被害に合うリスクも高くなるため、バージョンを常に最新にしておくなどの注意も必要です。
MODX
MODX(モドエックスまたはモッドエックス)は、軽快な動作と分かりやすいテンプレートワークを特長とするCMSです。
MODXは、テンプレートの修正や機能追加/アクセス数の増加など、システムをアップデートしたりするたびに動作が不安定になりにくいシンプルな構造を採用しています。また独自のデータベース構造を採用しているため、他のCMSよりも多様なカスタマイズができます。
個人・法人を問わず無償でダウンロード可能なので、軽快な動作を重視して費用も抑えたい方にはおすすめのCMSです。
Wix
Wixは、2006年にイスラエルの企業によって開発されたCMSです。
Wixの最大の特徴は、直感的なドラッグ&ドロップエディターになります。
ユーザーは、数百種類のテンプレートから最適なスタイルを選択し、コンテンツや要素を簡単に追加や削除/編集ができます。
さらにネットショップや予約システムなどの高度な機能を組み合わせ、ビジネスの成長に合わせて新しい機能をいつでも追加が可能です。レスポンシブ対応(スマートフォン対応)もしており、モバイルサイトのデザインや機能を細かく調整できることも嬉しい機能といえます。
無料プランで利用はできますが、機能に制限があるため有料プランを検討してみましょう。
Ameba Ownd
Ameba Owndは「Amebaブログ」で有名な株式会社サイバーエージェントが提供するCMSです。
Ameba Owndでは、モバイルサイトにも対応しており、自分オリジナルのホームページやブログ/メディアがかんたんに作成できることが魅力です。また無料で、独自ドメイン設定や簡単なSEO設定機能を提供しているので、ビジネスにも活用できるサイトを制作することができます。
さらに最大10個までサイトを無料で作成可能なので、利用の用途別に複数のサイトやブログを使い分けることも可能。
Ameba Owndは無料で使える機能が多いために、費用を抑えてホームページを作りたい初心者の方に人気があります。
bacer CMS
baserCMSは、無料で使える国産のオープンソース・ソフトウェアです。
baserCMSの大きな特徴は、Webサイト制作の始めやすさとメンテナンスに強いことが挙げられます。自社Webサイトのコンテンツが増えたとしても、内部SEOとしての重複コンテンツ問題への対策なども考えられた仕組みになっています。
またメールフォームやブログなどのサイト制作に定番な機能が標準装備されており、インストール後に複雑な設定は必要ありません。
最新情報や勉強会/イベント情報を配信しているbaserメルマガなど、コミュニティも盛んで、気軽に相談できる点も魅力です。
SOY CMS
SOY CMSは、ビジネスの成果を上げるための仕組みが充実している国産のCMSです。オープンソースライセンスで公開、配布されているので無料で利用できます。
SOY CMSの特徴は、柔軟性/拡張性で本体と拡張機能を独立した仕組みになっていることです。そのため最新版へのバージョンアップがかんたんで、常に安全なサイト運営ができます。
また、自社サイトにネットショップを追加したい場合は、本格的なECサイト構築パッケージ『SOY Shop』での導入が可能です。在庫管理や注文管理/顧客管理などの機能を、ショップとホームページ両方の運用を同一の画面で管理することができます。
どうしてもサポートが必要な場合は、有料にてサポートやコンサルティングも提供しています。
Jimbo
Jimboは、株式会社KDDIウェブコミュニケーションズが運営するCMSです。世界中で3200万以上のサイトがJimboで制作されており、人気のCMSです。
Jimboの特徴は、かんたんにホームページが制作できることです。デザインを選ぶ、内容を作る、公開して分析するの3つのステップだけで自社のイメージにあったホームページが出来上がります。
また、AI(人工知能)の質問に答えるだけでホームページが制作できる『AIビルダープラン』も提供しています。デザイン選びや文章を考えるのが苦手という方は、検討してみるのもいいでしょう。
BiNDup
BiNDupは、株式会社ウェブライフが運営しているホームページ制作ツールです。業界問わず20万社以上の導入実績を保有しています。
BiNDupの特徴は、ノーコードでサイト運用に必要な機能はそろっているために、低コストでオンラインビジネスが始められることです。さまざまな業種に対応できるように400種類以上のテンプレートから選択することができます。
また、ECプラットフォームのShopifyと連携することでエンタープラウズ向けの大規模なECサイトを構築することも可能です。
Dropboxとの連携にも対応しているため、チームの複数人で作業する場合は効率化の向上にも期待ができます。
Strikingly
Strikinglyは、アメリカのStrikingly Inc.が運営するホームページ制作ツールで、スタートアップ企業や起業家/クリエイターに支持されている人気のツールです。
SStrikinglyの大きな特徴は、自社の業種/業態にあったおしゃれで使いやすいテンプレートが豊富なことです。
また、無料のHTTPS更新、アクセス解析機能、ECサイト、問い合わせフォームなどのさまざまな機能が充実しています。
さらに画面いっぱいの動画をヘッダー部に埋め込むことも可能です。UI(ユーザーインターフェース)も直感的操作で視覚的に分かりやすいことも人気の要因です。
海外版のツールに抵抗がないユーザーにはおすすめのツールです。
BlueMonckey
BlueMonckeyは、クラウドサーカス株式会社が運営するオウンドメディア制作ツールです。リクルートやJAL/ABCなどの大手企業をはじめ、2,000社以上の導入実績があります。
BlueMonckeyの特徴は、HTMLやCSSなどのプログラミングの知識がなくてもオウンドメディアの構築や更新がかんたんに行えることです。
日本の中小企業のサイトでの利用シーンを前提に開発されており、使い慣れたツールのように違和感なく利用することができます。
infoCMS
infoCMSは、株式会社インフォネットが運営するCMSです。ブランディング戦略や運用業務改善/スマートフォン対応などを目的として多くの企業に導入されています。
infoCMSの特徴は、管理機能が20種類以上や標準モジュールが90個以上、オプションが20個以上と機能が多いため、自社のニーズにあったカスタマイズが可能です。デザインには制約がなく、パソコンだけでなくスマートフォンやタブレットなどのマルチデバイスに対応したサイトを構築できます。
またサイト内検索では、キーワードの完全一致だけでなく表記ゆれにも対応した柔軟なサイト内検索機能が搭載されています。
オウンドメディア運用や課題に関するコンサルティングも行っているので、思うような成果が上がらない企業におすすめのツールです。
はてなブログMedia
はてなブログMediaは、株式会社はてなが提供している企業向けのオウンドメディアに特化したCMSです。大手企業を含め50社以上の導入実績があります。
はてなブログMediaは、マニュアル不要で直感的に操作が可能なことが特徴です。さらに複数人編集や下書きプレビュー共有など編集サポート機能も充実しているためにコンテンツ制作の効率化が図れます。
また、サーバー環境の用意や保守の必要がありません。機能の修正/追加は自動更新で行なうので運用コストの削減にもつながります。
はてなブログMediaは、はてなブログの長年の運用で培ったノウハウを生かし、万全なセキュリティ体制でコンテンツを管理しています。コンテンツ制作に集中したいという場合はおすすめのCMSといえます。
市場分析系 ツール
次に市場分析系のツールです。代表的なツールは下記が挙げられます。
・Google Search Console
・Google Analytics
・AIアナリスト
・GRC
・Ahrefs
Google Search Console
Google Search Consoleは、Googleが無料で提供している分析ツールです。主に検索エンジンに最適化(SEO)されているかを確認するために用います。
例えば、連携されている自社のオウンドメディアのクリック数やインプレッション/CTR/平均順位などのWebサイトのパフォーマンス指標の確認が可能です。
また、インデックスされたページの確認やクロールエラー、外部リンクの確認などサイト運営に必要な情報も確認できるので、オウンドメディアを運営している場合は、必須の分析ツールです。
Google Analytics
Google Analyticsは、Googleが無料で提供している分析ツールです。主にWebサイトの訪問者の行動や傾向を分析するために使用します。
例えば、年齢や性別、地域/言語などの訪問者の属性や、アクセス数/滞在時間/ページビュー/リピーター率などのWebサイトのトラフィック指標を把握することができます。
Google Analyticsを活用することで、Webサイトの改善点を把握し、トラフィックの増加やコンバージョン率の向上などの成果につながります。初心者でも使いやすく、ホームページの運営やマーケティングに不可欠なツールです。
AIアナリスト
AIアナリストは株式会社WACULが提供しているAI分析ツールです。Google Analyticsに連携するだけで利用でき、面倒なタグ埋めを行う必要はありません。
AIアナリストの特徴は、AIが自社のサイトのデータを分析し、改善ポイントを定量的に教えてくれることです。Googleアナリティクスのデータをもとに、サイトの改善提案やレポート作成、ページ調査の結果をしてくれます。
ただしGoogle Analyticsを導入していない場合は、利用することはできません。
有料ツールではありますが、自社に分析/アクセス解析のノウハウがない場合におすすめのツールです。
GRC
GRCとは、Google Ranking Checkの略で、有限会社シェルウェアが運営しているSEOの順位分析ツールです。
特定のキーワードに関するWebサイトのランキングや、検索エンジンでの露出を改善するためのヒントをひと目で確認することができます。
また自サイトの検索順位だけでなく、競合サイトの検索順位や広告の数/検索順位の過去の履歴などの情報を提供することで、WebサイトのSEO改善に役立つ情報を提供します。
GRCは無料で使えるものや有料のものがあり、さまざまなレベルのSEOの専門知識がなくても利用できるツールです。無料で使えるものは機能に制限がありますので、本格的にSEO対策をするのであれば有料プランを検討してみましょう。
Ahrefs
Ahrefsは、SEO担当者やマーケターから広く利用されているSEO分析ツールです。SEO対策や競合分析において高い精度を誇り、Webサイトの改善に役立てることができます。
具体的には、キーワードの検索ボリュームや難易度、競合分析に必要な情報/トラフィックやランキングのモニタリングなどが可能です。また、世界最大級の被リンクデータ量を誇っており、Webサイトの被リンクの評価や新しい被リンクの発見にも役立てることができます。
Ahrefsは、世界で60万人に導入されており、SEO担当者やマーケターには必須のツールといえます。
キーワード検索ツール
キーワード検索に役立つ代表的なツールは下記のとおりです。
・Googleキーワードプランナー
・ラッコキーワード
・Ubersuggest
・keywordfinder
Googleキーワードプランナー
Googleキーワードプランナーは、広告主がGoogle広告キャンペーンを最適化するために使用できる無料のキーワード検索ツールです。
Googleキーワードプランナーを使用することで、広告主は関連するキーワードの提案や検索ボリューム、競合入札額などのデータを入手できます。また特定のキーワードの検索履歴やトレンドを調べることも可能です。
Googleキーワードプランナーは、広告主がより適切なキーワードを見つけ、より効果的な広告キャンペーンを作成するための必須のツールの1つとなっています。
ラッコキーワード
ラッコキーワードは、特定のキーワードの検索候補(サジェスト)を抽出してくれる無料ツールです。サジェストとは、検索しているユーザーが他に検索するであろうキーワードを提案してくれる機能のことです。
また、ラッコキーワードには、検索上位20位までの共起語や見出しを取得してくれる便利な機能も搭載しています。キーワードと一緒に使われることが多い言葉や、検索結果上位のサイトのタイトルや見出しがひと目で分かるので、ユーザーのニーズを把握するのに役立ちます。
ラッコキーワードは、基本無料で利用できます。機能の使用回数の制限がありますので、費用をできるだけ抑えたい場合は、注意して利用するようにしましょう。
Ubersuggest
Ubersuggestは、キーワード検索のほかに、サイト調査や被リンク調査などが行えるSEOツールです。
キーワード検索では、ビックワードからロングテールキーワードまで大量のキーワード候補を提案してくれて、検索ボリュームやSEO難易度なども確認することができます。また、競合サイトで流入が多いキーワードも確認できるため戦略立案にも役立ちます。
無料版でも利用できますが、利用回数に制限があります。頻繁に使いたい方は、パーソナルプラン以上の有料プランの利用も検討してみましょう。
keywordfinder
keywordfinderは、「SEOラボ」のサイトで有名な株式会社ディーボが運営しています。
keywordfinderの特徴は、おすすめのキーワードを自動取得してくれる点です。毎日キーワードをジャンルごとに取得してくれるため、効果的なキーワード選定に役立てられます。
またキーワードファインダーは、登録した自社サイト・競合サイトのデータをもとに蓄積された関連キーワード情報を表示してくれるため、同じキーワードに対し、同じ結果が表示されることはありません。
Googleアナリティクスと連携することで売上につながったCVキーワードを確認することができるので、キーワード選定に苦慮されている場合は、ぜひ検討をおすすめします。
オウンドメディアツールを選ぶ時のポイント
オウンドメディアツールを選ぶ時のポイントは下記のとおりです。
・柔軟性
・操作性
・費用面
それぞれ解説していきます。
柔軟性
オウンドメディアツールを選ぶ際に『柔軟性』を重視する理由は、ビジネスニーズが変化する可能性があるからです。柔軟なツールを使用することで、コンテンツ戦略やマーケティング戦略が変更された場合でも、ツールをスムーズに適応させることができます。
また、柔軟性の高いツールを選択することで、機能の追加やカスタマイズで対応が可能。異なる種類のコンテンツを作成し、複数のチャネルで配信することができるため、マルチチャネル展開に向いています。
今後のビジネスの成長に合わせてツールを拡張することができるように、柔軟性のあるツールを選択することをおすすめします。
操作性
オウンドメディアのツールを選ぶ際に『操作性』を重視する理由は、効率的なコンテンツ作成や配信を行うために必要なスピードと正確性を確保するためです。
操作性が良いツールは、直感的なインターフェースや使いやすい機能を備えており、時間をかけずに作業を進めることができます。また、ツールの使い方を覚えるのに時間がかかると、業務効率が低下し、高いコストが発生しかねません。
さらに操作性が高いツールは、ユーザーが作業を進める際に発生するミスを減らすことができるため、正確なコンテンツ作成につながります。
費用面
オウンドメディアのツールを選ぶ際は、費用対効果も考えなければいけません。適切なツールを選択することで、継続的に発生する運用費用を抑えることができます。
またツールの価格には、機能やサポートなどが含まれるため、必要な機能に対してのコストを正しく評価することが重要です。前述した柔軟性や操作性に加えて、ツールの費用面を将来的な運用の方向性を踏まえて総合的に判断することが必要です。
将来的にビジネスニーズが変化した場合でも、柔軟に対応できるかなど目先の運用だけを見ずに検討してツールを選択するようにしてください。
今回は、オウンドメディアで結果を出すために必要なツールを紹介しました。
近年では、無料で利用できるツールも多く、ノーコードやAIの活用で専門知識を必要としません。
オウンドメディアを運営するにあたり、サイト構築系ツールや市場分析系ツール/キーワード検索ツールの活用は必須です。
自社サイトの目的を達成するためにも、自社にあった適切なツールの導入を検討するようにしましょう。