オウンドメディア動画の活用事例!使い方や企業事例について紹介

オウンドメディア動画の活用事例

オウンドメディアで『滞在率の向上』『ブランディング』『離脱率の改善』を課題としている企業はコンテンツに動画を取り入れる施策も有効です。

動画マーケティングが近年活用されている理由として、YoutubeやFacebookなどの動画視聴可能な媒体増加や動画プラットフォームの普及等が挙げられます。TwitterやTikTokは拡散力もあり、より興味のある視聴者へと届くようになっているため、新規顧客を獲得するには効果的です。

さらに、テキストコンテンツに比べて動画は、より多くの情報を伝える事ができます。動画の情報量はテキストの5,000倍ともいわれ、1分間の動画で180万文字分の情報量を伝えられます。

また、テレビCMよりもリーズナブルに制作出来る事も活用される理由の一つです。テレビCMを流すには数十万〜数百万かかりますが、動画プラットフォームを活用すれば比較的費用を抑える事ができます。

このような理由から、コンテンツに動画を取り入れることはマーケティング手法として有効に働きます。

本記事では、オウンドメディアに動画マーケティングを取り入れるメリットや種類・活用する際の注意点を解説します。
実際に活用している企業の事例も挙げているので『動画マーケティングを取り入れたい、気になる』方は御覧ください。

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オウンドメディアに動画を取り入れるメリット

オウンドメディアに動画を取り入れるメリット

動画をオウンドメディアで活用することで

・ページに長く滞在してもらえる
・テキストよりも情報を分かりやすく伝えられる
・印象に残りやすく拡散されやすい
・サイトへの流入経路を増やせる

といったメリットがあります。

ページに長く滞在してもらえる

オウンドメディアで動画を活用するという事は、閲覧者の負担を減らす事に繋がります。

滞在率が極端に短い場合や、コンバージョン前(サイト上での最終的な目標)の離脱率が高い場合は動画を取り入れることで、改善する余地があります。

記事コンテンツを制作する際、画像と文字だけでは説明が難しかったり、文章がだらだらと長くなってしまうといった経験があるかもしれません。
このような記事制作の際は、動画コンテンツを使用すると、「聴覚/視覚」によって情報を訴求できるため、分かりやすく閲覧者に伝える事ができます。

閲覧者に分かりやすく訴求できる利点をうまく活用すれば、滞在率や直帰率の改善につながりますが、動画の尺(再生時間)によっては視聴を終えるまでに時間がかかり、コンテンツから離脱する可能性もあるため、尺を考えた動画の利用が必要となります。

テキストよりも情報を分かりやすく伝えられる

動画は、テキストや画像よりも情報を分かりやすく伝える事ができます。
テキストでは

  • 表現しづらい色の違い
  • 感情

なども動画を取り入れることで、企業が「伝えたい情報」を表現することができます。

たとえば記事で、サービス提供の背景や想いを伝えようとした場合、伝え手の表情や力強さや優しさなどを表現することは難しいでしょう。
これを、社長インタビューのような動画にして、起業した背景やサービスリリースにかける想いを語れば受け手が抱く印象は全く異なるものになります。

印象に残りやすく拡散されやすい

人間は忘れる生き物だといわれていますが、動画には、それを抑える効果が期待されています。

アメリカ国立訓練研究所では、テキストで学んだ場合と動画で学んだ場合の記憶への定着率は、2倍の差があるという「ラーニングピラミッド理論」を提唱しています。

昔に観た映像を数年経った今でも覚えているという経験をされた方も多いのではないでしょうか。
テキストのみで商品を紹介するよりも、視覚や聴覚から訴えかけられる動画の方が印象に残りやすくなります。

また、動画はSNSと相性も良く、うまく印象づける事で、SNSを通して「シェアされたり」「いいね!数」を増やすことができるため、より広い層へ拡散させることができます。
(参照:https://www.movie-times.tv/study/statistics/6354/

オウンドメディア動画の種類と使い方

オウンドメディア動画の種類と使い方

次に企業動画の種類や活用方法を解説していきます。
動画を制作する場合、活用方法や特質を理解しておく必要がありますので企業動画の種類や活用方法の参考にしてください。

商品やサービスの紹介動画


商品やサービスを紹介する場合、その特徴や使用方法を説明するのが一般的です。
実際に商品やサービスを使用している姿を映すことにより、購入後のイメージが沸きやすく購買意欲を高める事ができます。

テキストで商品やサービスの特徴を詳しく説明しようとすると、専門用語が多くなり読みづらい文章になってしまう事があります。

動画の構成や見せ方を工夫する事により特徴を深く知ってもらう事につなげられます。
閲覧者の理解度が深まれば、閲覧者の興味度合いが上がり購買につなげることができます。

社員やユーザーのインタビュー動画

企業紹介/採用ページ/使用者の声などが使用目的の場合、社長の想いやサービス導入後の雰囲気を伝えられるインタビュー動画が効果的です。

例えば、社長のインタビュー動画があった場合、
閲覧者はその表情や声から感情を読み取り企業を身近に感じさせることができます。

商品がどのように作られているのか、どのような人が関わって作られているかで、企業に対する印象や信頼度アップが変わります。

またBtoBにおいて、見込みユーザーの関心が高い『ユーザーの声』は、導入後のイメージもしやすいので資料請求や問い合わせのハードルを下げる効果があります。
インタビュー動画は、採用/営業/ブランディングといった様々なシーンでの活用ができるため、取り入れやすい動画です。

オウンドメディアで動画を活用する際の注意点

オウンドメディアで動画を活用する際の注意点

オウンドメディアで動画を起用する企業は増えてきていますが、使い方によっては企業へマイナスのイメージを与えてしまう可能性があります。
動画が閲覧者に与える印象はテキストよりも大きいので注意が必要です。動画で期待する成果が出せているのかを計測し、効率的に運用するように心掛けましょう。

動画の目的やターゲットを明確にして運用する

オウンドメディアの運営をする上で、目的とターゲット設計を明確にすることは非常に重要となります。
(関連記事:失敗しないオウンドメディア運用の目的と重要指標(KPI)について解説

動画を作成する際も同様に、誰に対して見せるもので、見たあとにどういった感情変化を狙うのかを検討します。

例えば、化粧品会社がリード獲得のために動画コンテンツを制作したとします。しかし、コンテンツ内容がリード獲得とかけ離れた動画の場合、閲覧者の購買意欲を上げることができません。

KPIを設定し効果測定する

目標を達成するためには、KPIを設定する必要があります。

KPI(ケーピーアイ)とは、組織の目標達成までの度合いを図るために置かれている指標の事で、「中間目標」のようなものです。KPIを設定しておく事で、最重要目標(KGI)までの道が明確になります。
記事コンテンツの場合、検索順位/CTR/流入数/滞在時間/CVRなどを用います。

記事コンテンツに動画を取り入れたことで、これらの数値の『どの部分』を変化させたいのかを仮説を立て、施策実施後に数値がどのように変化をしたのかを確認します。
施策ごとにKPIを設定する事は、オウンドメディア運営に限らずとも事業を成長させるうえで重要な要件となります。

人員や時間などリソースを十分確保する

記事コンテンツに動画を取り入れる場合、人員/費用などのリソース確保が必要です。
動画を公開するまでには、

  • 構成(出演者がいる場合は人員の確保と日程の調整・撮影場所の確保〜)
  • 動画撮影
  • 編集

の工程をこなす必要があります。

クオリティの高い動画を制作するなら、一般的に動画制作会社に依頼することになるため制作費用が発生します。
一部の作業のみを外注することで費用を抑えることもできますが、動画の制作自体が初めての場合は全体のイメージがつきにくいのでおすすめはしません。それは、動画を撮る機材/編集次第で映像や音声の質は大きく変わってくるためです。

クオリティの低い動画を公開することで、サービスのイメージを崩してしまっては本末転倒です。出来るだけノウハウを持った制作会社に依頼し、クオリティの高い動画を掲載するようにしましょう。

著作権に関する正しい知識を持っておく

動画に限らず、既存の音楽や画像を使用する場合、著作権の侵害にならないよう注意しなければなりません。

著作権のある音楽を動画内で使用する場合は、JASRACへの申請が必要になります。しかし、申請には手間も期間もかかるので、基本的には著作権フリーや有料音楽サイトで楽曲を購入する等して使用する方をおすすめします。

また、著作権は音楽に限るものではありません。
最近ではパロディ等も流行っていますが、実は著作権侵害にあたります。ところが、実際に取り締まられるケースは珍しく、このように著作権というのは非常に曖昧なものになります。

企業のブランドイメージを落とさないためにもまずはしっかり規約を守り逐一確認する等の対応をし、運用をしていきましょう。
(参照:https://www.youtube.com/howyoutubeworks/policies/copyright/

オウンドメディアに動画を活用している企業の事例

オウンドメディアに動画を活用している企業の事例

次に、実際にオウンドメディアで動画マーケティングを取り入れ、成功している事例を紹介します。自社のコンテンツ制作に活かせるものはないか参考にしてみてください。

トヨタイムズ(トヨタ自動車株式会社)

2019年にスタートしたトヨタ自動車株式会社のオウンドメディア、トヨタイムズ。誰もが一度は目にしたことがあると思います。

トヨタイムズには、「社長の熱い想いを顧客に伝えたい」という考えが原点にあります。社長のインタビューやスポンサーを努めているスポーツ選手を追った動画をアップする等、チャンネル全体を通しても熱い熱気が伝わってくるような演出がされており、目的にあったチャンネルとなっています。

CMからYouTubeへ、YouTubeからwebサイトへ、とオウンドメディアの流れをうまく利用した成功例といえるでしょう。

クラシル(dely株式会社)

レシピ動画サービスで有名なkurashiru(クラシル)。webページやYouTube以外にも様々なSNSを利用し、現在では幅広い年齢層に愛されるオウンドメディアとなっています。

2016年にサービスを開始して以降、レシピを掲載し続け、現在では4万を超えている。また、Instagramのフォロワー数は400万・アプリダウンロード数は3,000万を突破しました。

「適切なコンテンツを適切なタイミングで適切な場所に置く」とdely株式会社代表取締役 堀江裕介氏は話しており、その通り利用者が検索しやすく、時期に応じたレシピを掲載するよう工夫されているのが感じ取れます。
(引用:https://business.nikkei.com/atcl/report/15/110879/082300723/

Instagramやweb上では数十秒ほどの動画ですが、YouTubeでは数分単位で有名シェフの作っている姿も合わせて見ることができる等、各メディアの特徴を掴んだ投稿がなされています。また、SNSを利用することによって拡散への期待を持つことができます。

料理が苦手な人でも一目で理解できるような動画の作りは、まさに動画マーケティングをうまく取り入れている例になります。

となりのカインズさん(株式会社カインズ)

『ホームセンターを遊び倒すメディア』とコンセプトを掲げるとなりのカインズさんは、役立つ情報からクスっと笑ってしまうような情報までが掲載されています。

投稿されている動画のクオリティも非常に高く、サムネイルのみでどういった内容なのかが分かるよう工夫されています。また、近年ではDIYが流行っているので、それに合わせた投稿内容を増やすなど、市場調査がしっかりと行われていることも伺えます。

実際に働いている従業員が出演することによって「楽しそう」「雰囲気がよさそう」等のイメージアップにもつながっているでしょう。

概要欄にはHPのみではなく、動画内で紹介した商品/関連商品のオンラインページを張り付けワンクリックで購入、又は検討できるようにされており流入経路も確保されています。

コナミメソッドまとめ(コナミスポーツ株式会社)

コナミスポーツ株式会社が運用するコナミメソッドまとめ。国内最大級のスポーツジムとして、多くの利用者がいます。

ダイエットに興味のある人や、体育が出来るようになりたいと考えている子どもや親に向けて、正しい運動方法を紹介しているオウンドメディアです。

テキストでは伝わりづらい動きやポイントも、動画にする事によって伝えやすさがあり、動画マーケティングならではのメリットを活かしています。
シンプルな作りの動画は無駄な内容がなく誰が観ても分かりやすい構成となっており、プロのアスリートが登場する等、コナミスポーツクラブならではの信頼性もあります。

概要欄には動画内容を記事にしたページが貼られており、動画でもテキストでも学べるよう工夫がされています。
再生リストで各項目ごとに内容を分けているので、視聴者が観たい動画をすぐ検索できるようにしているのも親切でイメージアップにつながります。

Red Bull TV(レッドブル・ジャパン株式会社)

エナジードリンクというジャンルを生み出した事で有名なレッドブル。

派手なラッピングカーやクラブ/バーでのイベント等、独自のマーケティング手法で従来の「中高年が飲む栄養ドリンク」という印象から、見事「エクサイティングな飲み物」としてイメージを向上させることに成功しました。

運用するRed Bull TVにおいても手法は変わらず、音楽/スポーツ/アートなど様々なジャンルのコンテンツを多く提供しており、レッドブルの企業イメージを保つ工夫がされているように伺えます。

他の企業では真似が出来ない迫力のあるレッドブルならではの映像で、視聴者をファン化させる事も可能でしょう。

まとめ

オウンドメディアに動画を活用する事は、これからの時代においてとても有効です。

うまく活用する事で、事例で紹介した企業のように、ブランダィングや顧客獲得に効果を期待することができます。しかし、ただコンテンツに動画を貼れば良いという話ではありません。記事だけでは伝えきれない情報や企業の気持ちを映像にする事が重要です。

メリットが多い動画マーケティングですが、中途半端な運用は企業にとってマイナスのイメージを与えてしまいますので、必ずターゲット/目的を設定し、運用リソースを整えるようにしましょう。