オウンドメディアは問い合わせや資料ダウンロードに活用されるだけでなく、企業のブランディングとして取り入れている企業も増えています。
とはいえ、具体的にブランディングを行う方法がわからないという人も多いはず。
本記事では、オウンドメディアを利用して、ブランディングに成功させる方法を、他の企業の成功事例なども交えて解説します。
オウンドメディアでブランディングを行う方法
オウンドメディアを立ち上げる前に『自社ブランドの確立』を決めることが必要です。
自社ブランドが確立できていないことで、オウンドメディアの方向性がズレたりターゲットが不明瞭であることから、成果に繋がらないメディアになってしまう可能性があります。
自社の方向性やコンセプトを確立してから、オウンドメディアの制作やコンテンツ制作に取り組むよう心がけましょう。
またSEO対策によって、さまざまな層や潜在顧客へリーチできるのがオウンドメディアの利点です。
闇雲にオウンドメディアで発信するのではなく戦略を練って効率よく運営していくことが、ブランディング効果を上げるメディアへの成長に繋がります。くれぐれも一方的な宣伝活動をするのではなく顧客に寄り添った、ニーズのある情報を掲載し企業ブランディングを優先してください。
ここではブランディングを行う上で基礎となる、重要なポイントを4つ紹介します。
コンテンツ内容に一貫性を持たせる
自社のファンを獲得するには、発信しているコンテンツに一貫性を持たせることが大切です。
発信している内容に一貫性があることで、ファンが定着してSEOコンテンツとしての価値を高められます。また一貫性のあるコンテンツを蓄積することでメディアの評価も高まり検索上位に表示させるための施策につながります。
たとえば、テーマの方向性がバラバラだと企業のイメージや価値観が伝わりづらく、ユーザーからの信頼が得られづらくなります。流行りのテーマで注目されやすい記事を書いても、自社のブランディングに合わなければターゲット層に響かず離脱してしまいます。
オウンドメディアに一貫性があると読んでいる側も安心感があり、発信内容から伝わる信頼や安心は商品/サービスにも影響します。一貫したテーマでコンテンツを量産することで、SEO効果やブランディング効果を発揮できます。
ファンの定着化を狙うためにも、コンテンツに一貫性を持たせる工夫が必要です。
メディアコンセプトを決める
メディアコンセプトとは、読者に価値/方向性を伝えることです。
オウンドメディアで『読者に伝えたいことはなにか?』『何の情報を発信していきたいか?』『どんな人に読んでもらいたいか?』具体的にイメージしてみてください。
ユーザーが初めてオウンドメディアにアクセスするときは、たいてい自社の売っている商品/サービスや企業に興味を持っているわけではなく、記事の内容から得られる情報を求めて訪れるのがほとんどです。
メディアコンセプトを事前に決めておくと、届けたい魅力や価値について盛り込んでコンテンツ制作ができます。
企業のコンセプトに共感してもらえれば、読者からファンになり、後に商品/サービスの購入に繋がっていく可能性が高まります。
オウンドメディアでユーザーとコミュニケーションをとる手段としても、メディアコンセプトを決定している方が、ブランドポジションも定まり情報発信しやすいメディアを運営することができます。
自社商品・サービスの強みを明確にする
自社の扱っている商品/サービスの強みをしっかりと把握した上で、オウンドメディアの運営に活かしてください。
商品の魅力を一番に理解しないといけないのは、その商品/サービスを販売している社員です。
商品やサービスを提供している側の立場にいると、ときに魅力や強みが客観的に捉えられないことがよくあります。
顧客側の観点から商品/サービスの魅力を知る為には、他社のサービスと比較したりSNSの口コミなどを見ることが役立ちます。
さまざまなツールやプラットフォームを使って、自社商品/サービスのレビューを確認することで、今まで見えてこなかった商品/サービスの良さや独自性に気づけるかもしれません。
自社商品を第三者の視点から見ることは、オウンドメディアに限らずビジネスにおいても重要です。
機能性や使いやすさを配慮する
オウンドメディアでのコンテンツ内容も重要ですが、ウェブサイト自体の機能性や使いやすさもブランディング戦略において大切なポイントです。
ユーザーが来訪したときに、いかにストレスを与えず早くスムーズに求めているコンテンツへたどり着けるか読者側の視点から見直しましょう。
ウェブサイトの華やかさやデザイン性の高さよりも、機能性を配慮した設計の方が成果に結びつきやすい傾向があります。
以下の点を確認し、改善に役立ててみてください。
・コンテンツが多い場合は、ワード検索やカテゴリー分類を設置する
・PC/スマートフォンの両方で閲覧したときの見やすさを確認する
・低年齢層がターゲットの場合は簡単な漢字、言葉を使用する
・高年齢層がターゲットの場合は文字サイズ(小・中・大)の選択肢を設置する
SEO対策や良質な情報発信をしてもオウンドメディアの使い勝手が良くないと、すぐにユーザーが離脱してしまいます。
オウンドメディアに訪れてもらいたいユーザー像を明確にし、どういう状況で調べてどんな風に情報が表示されるとわかりやすいか、想像しながら機能性を高めることが大切です。
オウンドメディアでブランディングを行うメリット
ビジネスをする上でブランディングを行うことは、企業にとって最も基本的なステップのうちのひとつです。
ブランディングはマーケティングに力を入れる以前に取り組まなければいけない施策。ブランディングとマーケティングはよく混同されがちですが、以下の相違点に注意してください。
ブランディングとは:認知を拡げる活動
商品/サービスがどんな価値を持っているかについて発信し企業のブランドイメージ向上を図る活動
マーケティングとは:マーケット(市場)を広げる活動
クライアントや社会に対して、価値ある商品/サービスを届けるために行う活動
オウンドメディアが企業のブランディングに対してどのようなメリットがあるか具体的に紹介します。
競合と差別化できる
ブランディングをすることで、自然と企業のオリジナリティが世間に伝わり競合他社との差がつけやすくなります。
たとえば、商品/サービスのこだわりや制作の裏側などを発信しターゲットに魅力や個性を届けたりがあげられます。
ユーザーにとってオウンドメディアで商品/サービスの情報を目にすることは、他のプラットフォーム上で取り上げられている情報よりも信頼を寄せている場合が高い傾向です。なぜなら、ユーザーはオウンドメディアの方が商品/サービスに対して、より詳しく専門性の高い情報が入手できると期待するからです。
競合他社の商品/サービスと並行で取り上げられるプラットフォームでは、ブランドイメージを世間に浸透させることはできません。
オウンドメディアはその点、企業が本当に発信したい情報をユーザーに伝えることができる場なので、ブランディングに欠かせない施策といえます。
信用を獲得できる
商品に付加価値をつけたり、顧客からの信頼や安心/好感度はお金で買う事は難しいでしょう。
しかし、オウンドメディアの戦略を練ってブランディングをすることによって、企業の信頼を高めることができます。
これによって似たような商品/サービスが並ぶ際、顧客は信頼性のある社会的に良いイメージがある企業から購入したいと思う購買心理が働き、多くのユーザーに購入してもらいやすくなります。
SNSでシェアしてもらいやすくなる
オウンドメディアに掲載されている記事は、SNSでシェア/拡散されやすいという利点があります。
サイトに来訪したユーザーがその後に取るアクションとして最もハードルが低く、アクションしやすいのがSNSのシェアです。
オウンドメディアに主要なSNSのシェアボタンを目立つ位置で配置すると良いでしょう。
企業自体の知名度が低くまだイメージが世間に浸透していない段階でも、ユーザーがSNSでシェアすることでそのユーザーの知り合いやフォロワーなど、オウンドメディアにまだ訪れていない見込み客へのアプローチが期待できます。
SNSが主流の昨今、直接的に訴えかけるような広告は『しつこい/信用できない』という印象を持たれてしまうかもしれません。
ユーザーがSNSでシェアする心理として一番強い感情が共感力です。思わずシェアしたくなるようなユーザーの興味関心に寄り添うトピック/コンテンツを発信することで、シェアされやすくなりコンテンツの拡散につながりやすくなります。
顧客に何度も接触できる
オウンドメディアの運営を続けていく上で、効果を上げていくために重要な点としてあげられるのが『顧客のファン化』です。
ユーザーとのコミュニケーションや信頼関係を構築する場として、オウンドメディアを活用することを心がけましょう。
顧客がオウンドメディアに何度も訪れる目的は、単に商品/サービスの魅力だけでアクセスしているとは限らず情報の内容にも魅力を感じている場合があります。
サイトへのリピーターが増えれば、それに伴いSNS等でのシェア数も増えていくことが期待でき、より多くの見込み顧客に接触が期待できます。顧客への接触数が多くなればなるほど信頼度も高まり、コンバージョン(CV)の増加につながります。
商品の売上アップだけを目的にするのではなく、ブランディング戦略として認知や知名度の向上に活かせます。
価格競争を避けられる
競合他社との差別化ができていない場合は、以下のようなリスクが予測できます。
・より安い値段で提供している競合他社へ顧客を奪われる
・価格競争で一度値下げすると、その後の値上げができない
・競合他社より安い価格で提供することで、利益が見込めず赤字になる
商品/サービスを利用する動機が『安いから買う』だけになってしまうと、上記のような価格競争によるリスクを招いてしまいます。
社会情勢や物価上昇などを背景に、価格の変動が生じてしまうのは仕方がないことですが、価格以外のことで顧客を定着させる戦略として効果的です。
オウンドメディアの利点は、価格競争を避けてこのようなリスクを回避することができます。コンテンツを通して商品/サービスの価格以外で、顧客に購入したいと思われる点を明確にすることがポイント。
自社の魅力や商品に対するこだわりなどを発信していくことで、価格以外のベネフィットを感じてもらうような発信が必要です。
オウンドメディアでブランディングを行う時の注意点
オウンドメディアにはさまざまなメリットがある一方で『オウンドメディアを立ち上げても、なかなか成果が出ない…』といった失敗する企業が多いのも事実です。
オウンドメディアは正しい使い方をしないと成果に繋がらず、コストだけが発生し続けてしまうことも。さらには間違った使い方をして返ってマイナスな効果を生みかねません。
オウンドメディアでブランディングを失敗しないための要点や運用するまでの正しい手順を解説します。
運用前に大変さを理解して行う
オウンドメディアで質の高い記事を執筆し続けるのは、決して楽な作業ではありません。
コンテンツを制作しても、その記事を検索上位に持っていかなければ誰も見てもらえないメディアになってしまいます。
記事を読んでもらうためにSEO対策を施し、定期的にリライトを行って、不足している見出しやタイトルの変更など、最新の情報にアップデートすることが重要です。
リライト作業では、ただ『記事をとりあえず書き直そう』『タイトルを変えてみよう』と闇雲に作業するわけではなく、必ず分析に基づいて作業することがポイントです。ユーザーの求めている情報は何か/今の記事に満足しているか/どんな情報を足す必要があるのかを調査します。
そのためSEO対策やブランディング/Webマーケティングなど、経験や知識でリライト後の数値に差が出ます。十分な知識がない場合は、制作代行会社やコンサルティング会社へ外注する検討も必要です。
フォーデザインでは、コンサル型のコンテンツマーケティングから、記事のみの委託まで受けています。
まずはお気軽にお問い合わせください。
またオウンドメディアのランニングコストもかかります。専任スタッフの雇用やウェブサイト運営や記事制作の外注費などがあげられます。オウンドメディアの立ち上げ/続けていく継続力と、それに伴う努力や忍耐が求められることを事前に把握することが大切です。
目先のPV数ばかり追い求めてしまう
多くの企業では、目先のアクセス数だけを単純に追い求めすぎて、オウンドメディアを運営する最終的なゴールを見失っているケースがあります。
オウンドメディアの目的のPV数を達成することだけを意識することで、問い合わせ数や資料ダウンロード数の増加など最も重要なユーザーからのアクションが獲得できているかなど成果指標を見逃してはいけません。
・何のためにオウンドメディアを運営するのか?
・オウンドメディアから実際にどんな成果を得たいのか?
・自社の抱える事業、採用課題は何か?その課題を解決する働きができているか?
・記事を読んだユーザーに、その後どんなアクションを起こして欲しいか明確になっているか?
PV数を追い求めることも大切ですが、上記のような質問項目を明確にすることが必要です。
記事を投下してアクセス数を増やすだけでなく、問い合わせ数やクリック率などメディア全体の成果指標の計測を元に、導線を作ることがポイントです。
成果を得るまでのストーリーを設計し、本来のオウンドメディアとして正しく機能する運営を目指すために目標設定を正しく設定しなければいけません。
自分のビジョンをしっかりと伝える
自社のビジョンを顧客に正しい方法で届けることがブランディングにつながります。
商品/サービスを通してユーザーに『どういう風に感じて欲しいか』『どんな体験をしてもらいたいか』を伝えるプラットフォームとして、オウンドメディアを運営することがおすすめです。
ビジョンに共感してくれるユーザーは、根強いファンになってくれる可能性が高く、ユーザーにとって企業の感情が入ったメッセージは印象に残りやすいため、高いブランディング効果も期待できます。
自社が伝えたいビジョンを明確にしてユーザーに想いが届くメディア運営が重要です。
伴走型コンサルティングとは?
フォーデザイン(当社)では、競合との差別化やメディア運営などさまざまなクライアントの課題を解決する伴走型のコンサルティングを行っています。
本記事ではブランディングについて解説しましたが、ブランディングに限らず各工程ごとに発生する課題を、クライアントと議論しながら運用を進めています。
たとえば企業には営業部やカスタマーサクセスのように部署が存在しますが、当社はクライアントのマーケティング部署のイメージ。
クライアントのビジネスを一番理解しているのはクライアント企業である為、当社では課題に対して必要なプロ人材のアサインを行い、それぞれの強みを生かしてプロジェクト推進を行う事が成功への近道であると考えています。
本記事ではオウンドメディアがブランディングにもたらすメリットや運営する上で失敗しないための注意点などを解説しました。
オウンドメディアでのブランディングに力を入れたい方は、記事で取り上げた成功させるポイントや他社の運営戦略をぜひ参考にして役立ててみてください。
オウンドメディアの運用目的を明確にして戦略を考え運営することで、競合企業と差別化された施策につながります。
ブランディングとしてオウンドメディアを考えている方や活用方法を知りたい方にはぜひ参考にして頂けたら幸いです。