近年コンテンツマーケティングは、多くの企業が取り入れているマーケティング手法として注目されています。
コンテンツマーケティングは今では色々な情報収集時に目にするマーケティング手法ですが、まだまだ知らない方も多いと思います。
「これからコンテンツマーケティングを始められる方」「コンテンツマーケティングついてもう一度勉強したい方」に向けて、記事を書きました。 「今から学ぶのは大変」「聞くのがちょっと恥ずかしい」と思う方もいるかもしれませんが、今からでも遅くありません。
- コンテンツマーケティングって何をすればいいの?
- 費用対効果の測定は?
- どのように進めていけばいいか分からない
などマーケティング初心者やマーケティング担当者の方に是非参考にしてもらえればと思います。
コンテンツマーケティングとは
まず第一歩としてコンテンツマーケティングについて知らないといけないです。
「どんなマーケティング手法なのか」 「なぜ今コンテンツマーケティングが必要なのか」を見ていきましょう。
コンテンツマーケティングってなに?
コンテンツマーケティングの「コンテンツ」と「マーケティング」についてですが、コンテンツとはインターネット・テレビ・紙などのメディアを通して伝えられる内容をコンテンツといいます。
日頃見ているテレビやYouTube、SNSで発信された投稿もコンテンツになります。
次に、マーケティングになります。マーケティングは消費者の欲求を満たすために企業が行うあらゆる活動をマーケティングといいます。日頃よく耳にする「コンテンツ」と「マーケティング」も意外としっかり理解している方は少なかったりします。
本題のコンテンツマーケティングは、一言でいうと「ターゲットとされるユーザーに価値のあるコンテンツを発信することで、ファンを増やす」ことをいいます。
イメージとしては、コンテンツマーケティングには段階があり、
- 価値あるコンテンツを作る
- 顧客を育てる
- ファン化する
です。
コンテンツを見た消費者は、すぐに購入(利用)をする方もいれば、半年、一年後に購入(利用)する方もいます。そのため、コンテンツマーケティングは中長期的に収益として獲得していくマーケティング手法になります。
なぜコンテンツマーケティングが必要になったのか
コンテンツマーケティングは新規顧客を獲得するために効果的なマーケティングとして考えられていますが、なぜ、コンテンツマーケティングは必要になってきたのでしょうか。
これまでのアウトバウンドマーケティングというマーケティング手法が関係しています。アウトバウンドマーケティングは、企業から見込み客に対してアプローチを行うマーケティング手法をいいます。
アウトバウンドマーケティングはテレビやダイレクトメール、テレマーケティングを指し、企業発信で消費者に情報を届けていく手法としてプッシュ型のマーケティングともいわれています。
時代の変化でアウトバウンドマーケティングも消費者の企業広告疲れによりアウトバウンドマーケティングでの新規顧客獲得が難しくなったのが背景としてあります。
コンテンツマーケティングも「企業からの情報発信」という意味では、アウトバウンドマーケティングと同じになりますが、消費者へ訴求するアプローチの仕方が全く異なるため、 コンテンツマーケティングが注目されるようになっています。
コンテンツマーケティングはアウトバウンドマーケティングと何が違うのか
コンテンツマーケティングは、一方的に消費者の日常に広告として企業からアプローチするアウトバウンドマーケティングとは違い、「企業に興味」をもってもらう手法になります。
自社が伝えたいことをコンテンツとして配信するのではなく、潜在顧客が知りたい情報を発信していくマーケティング手法になります。
消費者が興味をもつコンテンツ、解決したいことなど新しい情報を伝えていくことで潜在顧客に興味をもってもらいファン化し、目的である商品の購入(サービスの利用)につなげていきます。
これまで、テレビやラジオ、新聞などのメディアが消費者の情報収集の場だったのに対し、近年の消費者は、SNSやブログなどオンラインで消費者自ら探すように情報収集の方法が変わってきています。従来のメディアでの広告展開では消費者の潜在意識にリーチできなくなった傾向になります。
コンテンツマーケティングは現代に合ったオンラインの特性を活かした手法として考えられています。
「ZMOT」はこれからのマーケティングに欠かせない
コンテンツマーケティングが現代のマーケティング手法として広まったことで、消費者の購買モデルも同じように変化しています。
消費者の購買モデルの一つとして、ZMOT(ジーモッ ト、Zero Moment of Truth の略)があります。ZMOTを一言でいうと「ゼロ個めの真実の瞬間」という意味です。
この ZMOTの購買モデルでは、刺激、情報収集、棚、体験という4ステップの行動に分かれています。
この4ステップの「情報収集」の段階で、消費者はオンラインで多くの情報を集め、消費者自らの意思決定で、集めた情報を元に商品の購入・サービスの利用を決定しています。
コンテンツの種類
コンテンツマーケティングにはさまざまな種類があります。多くの方がコンテンツマーケティングを「ブログ」での情報発信することをイメージするかもしれません。
コンテンツ=ブログのイメージです。
コンテンツマーケティングはブログだけではないことを知っておきましょう。
ビジネスブログ
ビジネスブログはストック型コンテンツといわれています。最大の特徴は「コンテンツを蓄積させながらメディア構築」ができます。
コンテンツを増やすことでホームページを充実させることができるため、ホームページの見栄えが変わり、ホームページに流入される消費者への印象や企業への信頼度が変わります。
SEO(Webサイトの成果を向上させる施策)としても評価も得られやすくすることができます。安価に立ち上げられる点もメリットになります。
SNS
SNSブログはフロー型コンテンツといわれています。facebookやTwitter等のSNSで投稿内容がタイムライン上に投稿していくコンテンツです。
ストック型のコンテンツを公開し、公開されたコンテンツをフロー型のSNSで発信することで、より多くの消費者へ広めることができるので使い分けて情報を発信することで相乗効果が見込めます。
ホワイトペーパー
コンテンツマーケティングには、ホワイトペーパーも含まれます。ホワイトペーパーは課題解決を促し、商品・サービスに対する意向度を上げるために効果的です。 主にBtoB向けのマーケティングとして利用されています。
多くの企業では、独自のアンケート調査・導入事例の紹介・ノウハウを解説するなど、課題解決のために使われます。
ホワイトペーパーをダウンロードした人に対してメールマガジンを配信する施策に繋げられます。
メールマガジン
メールマガジン(以降メルマガと記載します)もコンテンツマーケティングの手法になります。
販売促進に効果的なマーケティングとして、顧客のニーズを解消する内容や商品を購入した顧客から直接得た感想などをメルマガにします。
新商品発表やイベントの案内、業界ニュースなど情報を知るきっかけを作ることができます。
メールの件名や読み手にとって魅力的な内容であれば、WEBサイトへの流入を増やすことができる方法です。タイミングは自由に設定ができ、安価で多くの顧客をサイトに呼び込めるのがメリットです。
動画マーケティング
動画マーケティングもコンテンツマーケティングの手法になります。動画コンテンツは、ブログコンテンツと比べて、文字や画像だけの記事よりも聴覚がプラスされるので、伝わりやすい特徴があります。
文字では伝えづらい情報をまとめられるので、商品理解を促せます。
最近では案件として、事例や使い方の紹介、商品紹介を、影響力のあるYouTuberに紹介してもらうことで、情報の拡散につなげられる企業が増えています。
コンテンツマーケティングのメリットとは?
ここまでコンテンツマーケティングについて話しましたが、具体的にコンテンツマーケティングにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
広告宣伝費の削減
コンテンツマーケティングには、コンテンツをストックしていく仕組みが作れるためコンテンツの資産効果で広告宣伝費の削減につなげられます。
一度発信したコンテンツは、情報価値が失われないかぎり残り続けます。コンテンツを増やせば増やすほどコンテンツの資産を増やすことができるため、顧客との接点を増やすことにつながります。
コンテンツの質により成果が出るタイミングやコスト削減できるタイミングは企業により異なりますが、中長期的にコンテンツの資産を高め続けることで、広告宣伝費の削減につなげられるのがメリットです。
情報が拡散されやすい
価値あるコンテンツは自然に拡散されます。
消費者が、面白い・参考になるコンテンツがあった場合、消費者のSNSやブログで、情報を知らない人に向けて拡散したりした経験があるかもしれません。
自然とこれまで知らない方に広めたい情報を拡散することができます。広告に頼らなくても自然と情報を拡散していけるのがメリットです。
広範囲に情報発信できる
コンテンツは地域限定や発信できる範囲の制限がないため多種多様な消費者をターゲットにできます。
業種や地域に関係なく、ビジネスを展開することが可能になります。
海外への情報発信も可能にするため広範囲にアプローチができます。海外企業をターゲットにしたり、テストマーケティングも可能です。
信頼性の向上
コンテンツマーケティングは、消費者の求めているものを潜在顧客に向けて情報発信するコンテンツになるため、専門性の高いコンテンツを配信することができます。
コンテンツを見られた消費者からは「専門家」として認識されます。 仮に間違ったことを書いてしまうと、信用がなくなり、ファン化することができずコンテンツの価値、成果を上げることができなくなります。
消費者が興味をもつ情報や参考になる情報などを継続的に提供しつづけることで、信用できる会社として印象を与えることができます。
コンテンツマーケティングのデメリットとは?
コンテンツマーケティングついてメリットを解説しましたが、デメリットについて解説します。
コストと手間がかかる
コンテンツマーケティングは、企業が情報を発信し消費者をファン化するまで時間が必要になります。
発信されるコンテンツの質によって、費用対効果も変わります。
消費者に魅力的なコンテンツを発信し続ける必要があり、相応の時間とコストが必要になります。 また、コンテンツをリライトする作業(記事の意味を変更せずに、現状よりも良いコンテンツとなるように文章の編集)が必要になるため、手間がかかることがデメリットになります。
損益分岐点までの期間が長い
これからコンテンツマーケティングを始める方や知名度が低いサイトに良質なコンテンツを載せても成果が出るまでには時間がかかります。
短期での効果を狙うには向いていないマーケティング手法のため、中長期的な視点での運用が求められます。
コンテンツマーケティングで成果を出すには、良質なコンテンツを増やすだけではなく作成したコンテンツをより多くの人に届けるための手段が必要です。
始めはなかなか効果が現れにくく継続的な情報発信が必要になりますが、継続して質の高いコンテンツを作成・拡散していくことで加速度的に効果を実感できるタイミングがあるはずです。
失敗しないためのコンテンツマーケティング戦略
コンテンツマーケティングについて「コンテンツマーケティングとはどういうものか」情報を発信する上でのメリット・デメリットを書きましたが「ブログをやってみよう」「動画マーケティングをやってみよう」と思った方もいるかもしれません。
ですが、まずやってみようとすると必ず失敗をします。 コンテンツマーケティングも始めるにあたって決めるべき戦略があり、コンテンツマーケティングには準備が必要ですので、詳しく見ていきましょう。
ペルソナの設定
まず決めることはペルソナの設定です。ペルソナとは「商品・サービスの典型的なユーザー像」のことをいいます。 例えば、商品・サービスを売る際に、「どんな方に購入してもらうか」ターゲット設定をされると思います。
そのターゲット設定をわかりやすくまとめたものがペルソナといいます。
コンテンツを発信していくコンテンツマーケティングは、興味をもつ情報や役立つ情報を発信するマーケティング手法になります。情報発信を継続的に行った際、コンテンツを作成する作成者個々の「先入観」や「個々の考え」により、発信される情報にズレがでてしまいます。
ペルソナは発信する情報にズレがでないように「理想の顧客」としてコンテンツマーケティングに関わる人に共有できます。ペルソナの設定をすることで、あらかじめ発信する前に「先入観」や「個人の考え」によるズレたコンテンツ発信を未然に防ぐことができます。
コンテンツマップの作成
コンテンツマーケティングでは、消費者に「企業のコンテンツを好きになってもらい、商品・サービスを買ってもらうまでの流れ」をいいます。
コンテンツマーケティングのコンテンツマップは
- 認知段階
- 調査・理解段階
- 比較・選択段階
- リピート・口コミ段階
の大きく4つのプロセスに分かれます。
それぞれの段階における消費者の情報ニーズは異なります。 段階によって消費者が求めるコンテンツを提供することがファン化につなげるために重要です。
潜在ニーズ・顕在ニーズ
コンテンツマップでもお伝えしましたが、消費者は段階によって求める情報が変わります。消費者のニーズには「潜在ニーズ」と「顕在ニーズ」の2種類があります。
顕在ニーズは、自分が求める課題に気づいている状態をいいます。例えば、痩せたい・ジムに通いたいなどは顕在ニーズです。
一方で、潜在ニーズは自分の課題にまだ気づいていない、もしくは気付いていてもたいして問題視していない状態です。例えば、運動不足・ストレス発散です。
潜在ニーズの段階では、企業に対する質問だったり業界のトレンドなどの情報を紹介するような情報発信が有効になります。
カスタマージャーニーマップ
コンテンツマップが完成すると戦略としては完成といえます。
ですが、もっと高度なアプローチをしたいという方には、コンテンツ戦略をより詳細に検討しやすいようにカスタマージャーニーマップが役立つでしょう。
カスタマージャーニーマップは、企業の見込みである消費者があなたの商品やサービスを認知し、多くの情報を得ることで関心を深めます。購入や利用に至るまでの一連のプロセスのことを旅(ジャーニー)にたとえて図示したものをカスタマージャーニーと呼びます。
カスタマージャーニーマップの特徴として、消費者向けでも法人向けでも、あらゆる商品・サービスに適用できるのが特徴です。特に、商品購入やサービス利用までの検討期間が長く、BtoBに注目されている戦略になります。
効果測定をする
コンテンツマーケティングはコンテンツを発信し続けることをお伝えしましたが、発信して終わりではありません。「発信されたコンテンツにどのぐらい流入されているか」「どのぐらい見られているか」などアナリティクスやサーチコンソールを利用して分析し、コンテンツの修正・改善をしていくことが必要です。
PDCAサイクル(PDCAサイクルとは、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)を繰り返すことによって、業務を継続的に改善する手法)を回しながら軌道修正をしていくことで良質なコンテンツを作ることができ、より多くの消費者へ情報を見てもらえる機会を増やすことができます。
コンテンツマーケティングに役立つツール
今ではコンテンツマーケティングに関係するツールはさまざまあります。自分にあったツールや、使いたい機能によって適したツールを選ぶことが大事になります。
効率的なコンテンツマーケティングの運用に役立つツールを3つお伝えします。
CMS
CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)は、自社サイトやブログなど、オウンドメディアを運用する場合に役立つツールです。CMSの1つであるWordPress(ワードプレス)は、無料で利用できるので手軽に始めることができ、様々な企業が活用しています。 多くのコンテンツを管理する場合には必ず利用したいツールです。
WordPress(ワードプレス)
Google Analytics
Google Analytics(グーグルアナリティクス)は、ホームページのアクセス数や流入された消費者の閲覧行動を計測できるツールになります。アクセス解析ツールともいわれています。
発信されたコンテンツを改善するための数値確認に必要なツールのため、コンテンツマーケティングでは欠かせないツールです。
Google Analytics(グーグルアナリティクス)
Google Search Console
Google Search Console(グーグルサーチコンソール)は消費者が企業のホームページに訪問する際のキーワードを調べられるツールになります。キーワードの表示順位・表示回数・クリック数などのボリュームが分かるため、SEO対策にも利用されています。
Google Search Console(グーグルサーチコンソール)
まとめ
コンテンツマーケティングの失敗しないための基礎知識についてお伝えをしましたが、 近年、TwitterやInstagram、ブログなどのSNSで手軽に情報を発信したり、拡散ができるようになっています。
良質なコンテンツは自然と拡散される環境です。 すでに多くの企業がコンテンツマーケティングを取り入れていますが、いかにターゲットになる消費者に向けて、コンテンツを発信するかで、今から始められる方でもコンテンツマーケティングは可能です。
今回の記事を読んで頂き「早速始めてみよう」と少しでも、コンテンツマーケティングに取り組む方の背中を押せたら嬉しい限りです。