近年、オウンドメディアの運営に取り組む企業が増えています。
企業は『リード獲得』『認知拡大』『ブランディング』『採用の強化』などの目的でオウンドメディア運営を始め、成果を出している企業がいる一方で、オウンドメディア運営に失敗し撤退していく企業もいます。
本記事ではオウンドメディアを成功させるための知識や、必要な運用手順/失敗してしまう注意点について解説していきます。
『オウンドメディアで成功させたい』『成果が出せず悩んでいる』『どこに依頼すべきか迷っている』方に向けた記事になっていますので是非参考にして頂けたら幸いです。
オウンドメディアとは
まず、オウンドメディア(Owned Media)について解説します。すでにご存知の方は先へ読み進めてください。
オウンドメディアとは、『自社が保有するメディア』を指します。ホームページや自社ブログ、ECサイト、コーポレートサイトもオウンドメディアのひとつです。
『オウンドメディア』は、ブログや情報サイトのようなWebメディアを意味することが多く、企業はオウンドメディアを運営するために、外部に委託して運営をしたり、社内でマーケティングチームを立ち上げ運営をしています。
オウンドメディアのほか、アーンドメディア(Earned Media)とペイドメディア(Paid Media)があります。
アーンドメディアは『信頼を獲得するメディア』として、消費者が中心となっているSNS・CGM・個人ブログのことをいいます。
ペイドメディア(Paid Media)は、『有料のメディア』という意味で、お金を払って広告を掲載することができるメディアです。
この3つを『トリプルメディア』と呼び、それぞれの施策を行うことで見込み顧客の獲得や、顧客の育成と、顧客との関わりを活性化させることができるようになります。
前述の通り、多くの企業がオウンドメディアで成功しています。成功事例について詳しく知りたい方は下記の関連記事をご覧ください。
オウンドメディアが注目されているのはなぜ?
注目を集めているオウンドメディアですが、なぜマーケティング手法としてオウンドメディアが注目されているのでしょうか。注目されている理由について解説します。
Googleアルゴリズムの変化
オウンドメディアを運営する企業が増えた理由として、Googleの検索アルゴリズムの変化が関係しています。
検索アルゴリズムとは、Google検索でキーワードを入力し、検索結果に出てくるサイトの検索順位を決めるプログラムのことをいいます。
評価基準として200項目以上が存在し、毎年、アップデートと呼ばれるアルゴリズムの変更が行われております。
このような検索アルゴリズムの変化によって、企業のサイトは内部施策だけでは十分なユーザーの流入を確保できないため、検索から顧客獲得をする施策として、オウンドメディアを運営する企業が増えています。
従来の広告手法では通用しない
次に、ユーザーの広告離れや広告に対する不信感によって、従来の広告手法が通用しなくなったことが理由に挙げられます。
これまでユーザーは、広告を見て商品やサービスを購入するか/利用するかの判断をしていましたが、インターネットの利用率が高まり、ユーザーが独自に情報を得て購買につながる行動に変化したことが背景にあります。
オウンドメディアはユーザーの情報収集する行動をうまく利用し、潜在顧客から見込み顧客/顧客へと育てるのに有効な施策になります。
他メディアのトレンドへの対応
3つ目は、ユーザーが求めている情報をコンテンツにすることでSNSなどで拡散される可能性がある点です。
近年、SNSであるFacebookやTwitter/Instagramでは質の高いコンテンツほど、ユーザーが自らSNSを通してシェアをするのが一般的になっています。
オウンドメディアはどれだけ設計を最適化しても、ユーザーが探している/求めているコンテンツを配信し続けなければ、検索されずコンテンツからの流入は見込めません。
そのためオウンドメディアで、良質なコンテンツの発信やSNSでの投稿は、コンテンツの拡散につながり新規ユーザーの流入を増やす施策になります。
オウンドメディアの目的
オウンドメディアを運営する目的は大きく3つに分かれます。
認知を広げて潜在顧客にアプローチできる
オウンドメディアを運営する目的は、商品/サービスを認知していない潜在顧客に対して、コンテンツをきっかけに知ってもらい、認知度を上げられることです。
当然ですが商品/サービスの存在を認知されない限り、売上につなげることはありません。
オウンドメディアを通して、潜在顧客の興味を引くような情報を発信することで、商品/サービスの存在を認知してもらうきっかけが作れます。
情報発信だけであれば、SNSを通して行なうことも可能ですが、SNSは更新頻度が高いため、常に新しい情報だけに注目されてしまう弱点があります。
オウンドメディアは、ユーザーが知りたい情報をインターネット検索を通して、制作したコンテンツへ流入させるため、見込み客になりえる潜在顧客にアプローチができます。
企業の独自性を出しやすいため競合他社との差別化につながる
オウンドメディアは、企業の独自性を出しやすい媒体のため競合他社との差別化につながります。
世の中に溢れている商品/サービスの中から自社のものを選んでもらうためには、他社との『差別化』は重要といえます。
オウンドメディアは第三者が運営するメディアと違い、情報の出し方からコンテンツの統一感などを自社でコントロールすることが可能なメディアです。企業の色を一番反映しやすい強みがあり、独自の情報をコンテンツ化し、見込み客へ訴求できることが魅力です。
サイトデザインからコンテンツ内容まで一貫性を保つことで、商品/サービスの特色を反映しながらも広告などとは違ったアプローチで購入/利用につなげることができます。
企業の製品/サービスのファンを作ることができる
オウンドメディアの目的は、商品/サービスを認知させるだけでなく認知したユーザーをファンに育てることができる点です。
ホームページとは違い、商品/サービス情報だけでなく自社の強みを発信することで、潜在顧客は、見込み客/顧客に変化し、最終的にはリピーター/ファンへと成長します。
ビジネスにおいて、中小企業は大手企業と差別化した販売戦略が重要です。価格だけではなく、商品/サービスの特徴をユーザーに理解してもらう必要があります。
ホームページだけの情報では、特徴のすべてを訴求することが出来ないため、コンテンツの特色を活かした施策は、新しい見込み顧客を作るきっかけになるかもしれません。
さらに一度、ファン化された顧客は、自発的に口コミを発信してくれる可能性が高まります。SNSでシェアをしてもらえたり、顧客発信で、企業が発信できない広い層へと認知度を高められます。
企業がオウンドメディアを運用する事例
企業がオウンドメディアを運営する理由にどのようなものがあるのか、多くの企業で取り組まれている例をまとめました。
リード獲得
BtoBサービスのオウンドメディアでは商品やサービスのお問い合わせや資料請求といった『リード獲得』を目的として運営している企業がほとんどです。
リード獲得のために、オウンドメディアを運営する背景には、リスティング広告やディスプレイ広告といった広告媒体でのリード獲得費用(CPA)が高騰していることが原因といえます。
オウンドメディアは、質の高いコンテンツを作り継続して運用することで、企業の価値を高め配信されたコンテンツを資産化することができます。
結果、長期的に費用対効果(ROI)を高めることにつながり、広告への依存を最小限にしてリード獲得ができる施策になります。
認知拡大
オウンドメディアは、商品/サービスの認知を広げる施策としても有効にはたらきます。
例えば設立間もない会社は、販売しているものの認知が低いため商品名や会社名で直接検索するユーザーはほぼいません。
購入/利用につながるターゲット層に興味や関心をもってもらうために、Howto(為になる情報)コンテンツを発信することで、興味をもったコンテンツから、会社名や商品名を知ってもらうきっかけを作りメディアの流入につなげることができます。
ブランディング
またブランディング施策に、オウンドメディアを活用する企業も増えています。ブランディングとは『商品や企業のイメージをユーザーに印象付けること』を指します。
商品やサービス名を知ってもらうだけでなく、自社の強みや特徴をユーザーに認知してもらい、他社との差別化を図る戦略が重要です。
前述しましたが、オウンドメディアは自社で運営するメディアのため、コンテンツや構成を自社でコントロールすることができます。
そのため
・ユーザーに何を知ってもらいたいか
・どんなユーザーを閲覧させたいか
などをテーマにコンテンツを発信をすることで、ブランディング効果を高めることができます。
ブランディング方法など詳しく知りたい方は下記の関連記事をご覧ください。
採用力の強化
近年、採用強化のためにオウンドメディアを活用する企業も増えています。オウンドメディアリクルーティングともいいます。
例えば社長インタビューや社員インタビューなど、日々の働き方を発信するコンテンツです。
求人サイトだけではイメージできない求職者が、会社のビジョンや働き方に共感し応募率を改善させることに繋がります。
また求職者は、『会社の日常をイメージしやすくなり』入社後のミスマッチを防ぐことで、離職率の低下につなげる効果が期待できます。
オウンドメディアで採用力を強化したいと考えている方は是非下記、関連記事を参考にしてみてください。
オウンドメディアのメリット
オウンドメディアを運営することで下記のメリットを得ることができます。
・マーケティング費用の最適化
・検索エンジンへの対応
・コンテンツの資産化
マーケティング費用の最適化
オウンドメディアを運営することは、自社が自由に発信できるメディアを持つことに繋がります。
リスティング広告やディスプレイ広告などの広告媒体は、出稿直後結果が現れる反面、流入を維持するためには広告を出稿し続けることが必要です。
結果、継続的に広告費用が必要となり、競合他社の出稿状況によってはクリック単価が高騰する可能性もあります。
独自に発信できるオウンドメディアを運営することで、ユーザーが求めるコンテンツや商品/サービスのコンテンツ発信を可能にし、広告費用を掛けずに継続的な集客の向上につながります。
競合他社との差別化ができる
2つ目のメリットとして、コンテンツを検索結果の上位に表示させることでユーザーからは『専門性の高いサイト』と認識され、信頼してもらえるようになります。
ユーザーにとって有益なコンテンツは、共感されやすく興味をもってもらうことにつながります。類似コンテンツへの回遊を促すこともでき、長時間貴社のオウンドメディアに滞在してもらうことでブランディングやファン化を行いやすくなります。
オウンドメディアを通してファンになってもらうことは、競合他社との差別化につながります。
コンテンツの資産化
オウンドメディアを運営する最大のメリットは、配信されたコンテンツが企業の『資産』になることです。
配信されたコンテンツは蓄積し、メディアを消さない限り半永久的に残り続けます。そのため配信当初は、PV数が上がらなかったコンテンツも半年後、一年後には流入につながるコンテンツに成長することもあります。
コンテンツの制作には一定の費用が発生します。しかし、広告費用が掛け捨ての費用だとすれば、コンテンツはストック型の投資となり競合企業との大きな差別化になるでしょう。
オウンドメディアのデメリット
オウンドメディアのデメリットは下記の3つになります。
・立ち上げ時の初期費用・工数がかかる
・即効性が期待できない
・文字の限界がある
立ち上げ時の初期費用・工数がかかる
オウンドメディアの立ち上げには、
・目的とコンセプトを明確にする
・ターゲット・ペルソナを設定する
・自社制作が外注するかを決める
・サーバーを選定する
・ドメインの種類を決める
・CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)を選定する
・MA(マーケティング・オートメーション)を選定する
などの準備が必要となります。
オウンドメディア運営では、定期的なコンテンツ発信が必要となります。そのため、コンテンツ制作を自社で内製化していく場合、コンテンツ制作に必要な人件費がかかります。
またコンテンツ制作を外注する場合は、外注費用が発生してくることに留意します。
即効性が期待できない
オウンドメディアは、効果が出るまでに時間がかかります。これは検索アルゴリズムとの関係があり、新たに立ち上がったWEBサイトは評価されにくい為です。
そのためメディア立ち上げ当初は、何本ものコンテンツを投下しても狙ったキーワードでの上位表示はされず、アクセス数が上がりにくいことを頭にいれておく必要があります。
コンテンツの作成前には
・ペルソナ設計
・メディア自体の立ち上げ
・競合サイトの調査
・取り組むキーワードの選定
・コンテンツマップの作成
などが必要となり、準備をおろそかにスタートを切ってしまうとコンテンツを投下してしばらく立っても『メディアが立ち上がらない』という結果につながりやすくなるため注意しなければいけません。
広告とは違い、オウンドメディアで成果を出すまでには時間がかかることを理解した上で、貴社にとってデメリットよりもメリットが上回るのであれば、プロジェクトを開始するとよいでしょう。
企業によっては独学でコンテンツを作成し内製化する考えもありますが、競合調査やキーワードの選定などテクニカルな作業が必要になります。
オウンドメディアに関する参考本は多く販売されておりノウハウを学ぶことができますが、早い段階でオウンドメディアの目的を達成したいのであれば外部に委託することが望ましいといえます。
文字の限界がある
企業のオウンドメディアというとコラム記事型のコンテンツを連想する方が多く、実際に運用されているのは記事型のオウンドメディアが一般的です。
SEO的に、網羅されたページの方が検索エンジンの評価を得やすく、狙ったキーワードでの上位表示を狙えることから1ページあたりのテキスト量は、年々多くなり2万文字にも及ぶコンテンツも存在します。
しかしテキストでは、話し手の感情や力強さ。色や音といったことが表現しにくいデメリットがあります。こういった背景もあり最近では記事型コンテンツと動画マーケティングをクロスさせ、
・記事から動画への誘導
・記事内に動画を設置
・CMから記事へ誘導
など、動画を活用したコンテンツマーケティング(動画マーケティング)をはじめる企業が増え始めています。
これまでの記事型コンテンツマーケティングで施策が頭打ちになっていたり、数字の伸び悩みがある企業は動画とのクロス施策を検討してみてもよいかもしれません。
オウンドメディア動画の事例は下記にて詳しく紹介しておりますので参考にしてもらえたら幸いです。
オウンドメディアの運用手順
ここでは、オウンドメディアの運用手順について解説します。すでに既存のメディアを運営している方や運用手順について知っている方は先へお進みください。
専門的な運用手順を知りたい方は下記を参考にしてみてください。
目的とターゲット(ペルソナ)の設定
オウンドメディア運営を開始することが決まって、まず最初に取り組むことは『目的』と『ターゲット』の設定です。
『自社を知らない潜在顧客に認知してもらう』『商品やサービスを購入/利用のあるユーザーにリピーターとなってもらう』など、目的とターゲットを明確に決めるようにします。
ターゲットは『20代から50代』のようなざっくりした設定ではなく、『ペルソナ』を設定することが重要です。
ペルソナとは、商品やサービスの架空のターゲットを具体的にイメージする人物像をいいます。
オウンドメディアに流入につなげたい人物像や読んでほしい人物の属性を性別/年齢/家族構成はもちろん、趣味やライフスタイルなども含めて細かく決めます。
プロジェクトメンバー間で共通のペルソナが存在すれば、
・△△ならサイトのメインカラーは暖色系だよね
・△△ならイラストを多用するより写真の方が良さそうだね
と、共通のターゲットを軸に議論が行えるので、コミュニケーションコストの削減にも繋がります。
サイトコンセプトを設計
次に『サイトコンセプトの設計』です。
例えば、動画制作サービスを提供する企業が『自社サービスを知ってもらいたい』という目的でオウンドメディアを運営した場合、『自社の動画制作サービスを使ったことがない/知らないユーザーにも興味を持ってもらう』サイトにしていく必要があります。
『動画制作サービスを使用してリピーター(継続的な利用)になってほしい』という目的であれば、『継続的にサービスを使いたくなるコンテンツを発信するメディア』になります。
サイトコンセプトの設計によってメディアの方向性が変わるため、とても重要な設計です。
カスタマージャーニーを設計
目的やターゲット/コンセプト設計ができたら、ユーザーが自社のオウンドメディアに訪れて購入/利用まで導く具体的な流れを設計していきます。
これを『カスタマージャーニー』といいます。
ユーザーがメディアに流入されてから『認知』→『興味を持つ』→『比較検討する』→『購入/利用』という購買行動の流れから、ユーザーの動機を明確にしていきます。
・ユーザーが興味のあることはなにか?
・どんな情報が知れれば購入するの?
・利用につなげられるか?
・コンテンツ”A”を見たユーザーが興味のありそうな他のコンテンツはなにか?
・コンテンツ”A”を見たユーザーを次のページに誘導する方法は?
カスタマージャーニーを作ることで、今後制作するコンテンツ案が浮かびやすくなり、コンテンツの構成に活かせるようになります。
Webサイト制作
運営するオウンドメディアのWebサイト制作に進みます。
目的やペルソナは社内でも出来ますがWebサイト制作には、より専門的な知識が必要なため社内にデザイン部門を有しない場合は外部に委託して制作をおすすめします。
オウンドメディアは、デザイン性はもちろんですがユーザーにとっての見やすさや機能の使いやすさ(UI/UX)も大切です。
オウンドメディアはコンテンツの投下だけではなく、コンテンツがどのように閲覧されているか/流入数は増えているかなどを分析し、よりコンバージョン(CV)を増やす施策を並行して行う必要があります。
そのためWEB制作者や運用担当者を起用する場合は、専門的なSEO/マーケティング戦略に知見があるかが重要です。
WEB制作者や運用担当者が社内にいない場合、下記のような制作会社への検討も必要です。
コンテンツ制作
サイト制作後は、メディアにコンテンツを投下していきます。
コンテンツ制作を行う際は自社で制作を内製化するのか/外部に委託して制作をするのかの二通りになります。
外部に委託する場合、ライティングのみを外注するのか/構成からライティングを外注するのかなど、依頼する条件は企業の人的リソースによって異なります。
事前に、依頼する範囲や内容を決めておき、月に何本の作成を行うのか/ディレクションを行う担当者は誰かなど決めておくことで進行をスムーズに進められます。
制作会社によっても、ライティングのみ制作可能な会社や、構成案からライティングしてくれる会社とさまざまです。
制作費用もサービスによって違うため、安価で制作を依頼するといった文字単価や文字数だけで決めず、オウンドメディアの目的を達成できるのか考えて外部に委託することをおすすめします。
オウンドメディア運営で失敗してしまう理由
オウンドメディアを成功させる手順やポイントを解説しましたが、オウンドメディアの運営は成功する企業がある一方で、運用に失敗してしまう企業が多いのも事実です。
オウンドメディアを成功させるためにも、失敗する企業の典型的な例を把握し運営に活かすようにしましょう。
『失敗する原因』に関して下記関連記事で詳しく解説しております。
目的・成果が曖昧で継続する意味を見失う
企業の大きさに関係なくオウンドメディアは、正しい戦略/運営をすることで、必ずといっていいほど成果が表れます。
しかし『なんとなくオウンドメディアを始めてみた』など、目的や成果が曖昧な運用だと
・なぜオウンドメディアをやっているのか
・どれほどの効果がでているのかが見えない
と、途中で継続する意味を見失ってしまい更新が止まってしまうケースがほとんどです。
『オウンドメディアを運用する目的は何だったのか』『どのような数値が出たら成果として判断するのか』といった目的と成果基準を定めることが、継続的なオウンドメディアの成功につながります。
途中で継続する意味を見失わないために、KPI・KGIの設定は重要です。KPIツリーの作成など設定に必要なポイントを参考にしてみましょう。
メディアの設計に問題がある
失敗する理由として、メディアの立ち上げで、SEOやマーケティングに知見を持ったメンバーが参画していないケースが挙げられます。
継続的なコンテンツを更新し、記事のクオリティにも差がないが成果が出ていない場合、サイトの構造に問題があると考えられます。
間違ったSEO知識でのサイト設計やUI/UXといったメディアの設計など。1年以上オウンドメディアの運営を行っても成果に結びつかないため注意しなければいけません。
1年以上オウンドメディアを運営して成果が出ない場合は、経験上、一度立ち止まって悪影響を与えている原因の特定を行った方が最終的に結果を出すまでの時間が短縮できることが多いです。
コンテンツ量が足りない
目的と求める成果を設定していても、コンテンツ量が不足して成果が出ないケースが考えられます。
コンテンツの少ないメディアを成功させるのは難しく、Googleから評価されて上位表示されるまでには、一定数以上のコンテンツの量と質と時間が必要です。
100本以上などの具体的な指標は無く、運用年数やドメインの専門性/サイト自体の構造にもよりますが、コンテンツを増やすことでユーザーへの露出も増えて成果に結びつく可能性を高めることができます。
コンテンツ量が多くてもユーザーが求めるコンテンツの内容になっていなければ、同様に結果がついてきませんので、量と同様、質にもこだわって発信できるようにしていきましょう。
継続してコンテンツ発信できない
オウンドメディアは継続的にコンテンツの発信が必要な施策ですが、コンテンツの発信を継続して出来ていない企業もあります。
継続したコンテンツ発信ができない理由として
・いつまでに何本公開すればいいか決まっていない
・何について書けばいいか分からない
などです。
キーワード選定や進行管理ができておらず時間だけが過ぎてしまうケースや人的リソースが不足しているケースが多いように感じます。
長期的な施策となるオウンドメディアの運営において、まず『上層部に結果がでるまでにタイムラグのある施策』という理解を得た上で、適切なスケジュールと施策設計/人員の確保を行うことが重要です。
『進行が遅れる』『リソースが不足している』など課題を持たれている場合、早期改善が必要になります。
下記の関連記事では、オウンドメディア運営で失敗している例を11パターン紹介しております。『進行が遅れる』『リソースが不足している』は失敗例に該当するパターンの1つのため、気になる方は関連記事をご覧ください。
外的環境による成果の激減
外的環境によってオウンドメディアの運用をやめてしまうケースもあります。
例えば、Googleの検索アルゴリズムのアップデートによってトラフィックが減少したり、競合他社が狙っているキーワードで上位表示を独占しているなどです。
市場そのものが変化し、業界自体の縮小や競合他社が生まれることによって、求めている成果を上げられなくなるといったケースもあり、オウンドメディアの施策から撤退する企業も増えています。
競合他社と違った差別化したコンテンツの配信や対策キーワードの選定などから独自のメディア運営が必要です。
運営体制が整っておらず、人的リソースが不足している
オウンドメディア運営には人的リソースの確保が必要不可欠です。
人的リソースの確保ができない企業は、運営体制が整わず中長期的な施策ができずに失敗しています。
明確な目的や戦略があっても、施策を実行する人手が不足していたり、コンテンツを書くライターがいなかったりすると、目的を達成することができません。
重要なことは、コンテンツの品質に直結するライターの確保や進捗管理をするディレクター・検収/校了を行う校正者の確保がポイントです。
人的リソースを改善するためには、不足している工程のみ外部に委託するようにしましょう。オウンドメディア運用の失敗を未然に防ぐためにも、人的リソースの確保は必要不可欠といえます。
オウンドメディアで成果が出ない・施策に課題がある方へ
フォーデザイン株式会社の強みは、従来のコンサルティングにはない伴走形式で企業の課題に合わせたネックの施策改善です。
決まったテンプレートに当てはめるだけの施策ではなく、企業の課題と必要性に応じて課題を見つける事から始まります。
施策や予算設計/KGI/KPI設計/市場調査/施策立案・実施/効果検証までをワンストップでおこないます。
一社でWEBマーケティングからセールスの課題改善が可能な為、無駄なコミュニケーションコストが発生せず、社内に優秀なマーケターを抱えずともプロジェクト推進を可能にするサービスです。
オウンドメディアに関するQ&A
オウンドメディアを運営するために必要な準備はありますか?
まず、運営する『目的』を決めることから始めましょう。メディアのコンセプトやターゲットも決める必要があります。
企業ごとに『ホワイトペーパーのダウンロードを増やす』『問い合わせ数を増やす』など、メディアを運営するためのゴールが違うため、貴社のゴールを設定することが重要です。
また、コンテンツの発信が重要なため、社内で制作を行う場合、チームの立ち上げやディレクター/ライターの決定や増員は必要不可欠です。
外部へ委託する場合は社内で担当者を決め、委託が必要な工程を対応してくれる代行会社を検討してみましょう。
詳しくは『伴走型コンサルティングとは』をご覧ください。
運営を行うには市場分析やキーワードツールなど月間の数値確認やマーケティング戦略に使用するツールの選定も必要です。
ツールの選定がまだという方は参考にしてみてください。
コンテンツはどのような内容にすると効果的ですか?
オウンドメディアのコンテンツはさまざまです。
例えば、コラムといった記事や購入者の体験談・商品/サービスの事例などがあります。
ですが、全てのコンテンツに共通しているのがユーザーにとって役立つ(Howto)情報であるかです。コンテンツの発信を行いメディアに訪問した潜在顧客も、将来的に見込み客になり顧客につながる可能性があります。
まずは、ユーザーが有益だと考えるコンテンツを制作しましょう。自社の売り込みだけのコンテンツは、逆効果なため注意が必要です。
コンテンツ制作のみ依頼することはできますか?
可能です。フォーデザインでは、貴社が課題としている施策や工程だけを代行することができます。貴社が抱えている課題を、是非お聞かせください。
運営後、想定していない問題が発生した場合、対応できますか?
対応可能です。伴走型コンサルティング支援では、『顧客課題の解決』及び『施策の内製化支援』をミッションとし、WEBマーケティング領域での『各施策のプロ』が顧客と共に伴走することで、主体的にプロジェクトを推進することが強みになります。
そのため、あらかじめ想定できない課題や問題にも迅速に対応をさせていただきます。
Webマーケティング施策の1つとして、オウンドメディアは注目を集めています。
本記事で解説した通り、広告を使わずに『ユーザーが知りたい情報』をコンテンツとして発信することで、流入につながり、見込み客/顧客/ファン化へと育成することができます。
オウンドメディアで成功することで、結果的に広告費用の削減につながり売上の増加につながります。
すでに成功している企業も多いですが、今からでも『もう一度体制を整えたい』『改善していきたい』と考えているのであれば、遅くはありません。
『オウンドメディアで成功させたい』『成果が出せず悩んでいる』『どこに依頼すべきか迷っている』方は是非、お気軽にご相談ください。