オウンドメディアは意味がない?失敗する原因と成果を出すためのポイントの違いを解説

オウンドメディアは意味がない?失敗する原因と成果を出すためのポイントの違いを解説

オウンドメディアの運用は、記事を配信してから即効性が低いため継続した運用が必要です。難易度が高い施策であることから、成果が出ない/運用が難しいという声が多く『オウンドメディアは意味がない』と考える担当者も少なくありません。

ですが、オウンドメディアは適切な運用を行えば長期的な売上に貢献してくれる可能性が高い施策といえます。

本記事では、オウンドメディアの運用に悩んでいる担当者向けに、オウンドメディアが意味ないと言われる理由やよくある失敗の原因、成果を出すための制作のポイントを解説します。

本記事を読めば、適切なオウンドメディアの運用の知識が手に入るはずです。オウンドメディアの運用に悩んでいる担当者は、ぜひ参考にしてください。

オウンドメディアをつくっても意味がない?

オウンドメディアをつくっても意味がない?

オウンドメディアをつくっても意味がないと言われる理由は下記が挙げられます。

・効果が出るまで時間がかかる
・検索流入させるためのSEO対策が必要
・継続する難易度が高い
・片手間ではなく運営体制が必要

効果が出るまで時間がかかる

まずオウンドメディアをつくっても意味がないと言われる理由のひとつは、オウンドメディアをつくっても即効性が期待できず、効果が出るまで時間がかかることです。

第一にオウンドメディアを検索エンジンに存在を知ってもらう必要があります。通常、検索エンジンからの評価を得られるようになるには、3ヵ月〜6ヵ月程度の期間が必要です。

たとえ検索エンジンに表示されたとしても、上位表示されなければ、ユーザーにメディアの存在を知ってもらったり、メディアへの流入は見込めません。

上位表示させるためにオウンドメディアのコンテンツは、きめ細かい調査や分析を行い、質の高いコンテンツを継続的に作り続けることが大切です。

オウンドメディアの運営は多大な時間と労力が必要になるために、中長期を想定した戦略プランが重要といえます。

検索流入させるためにSEO対策が必要

前述ではオウンドメディアの上位表示に触れましたが、オウンドメディアを運営する上で、SEO対策が重要な役割を担っています。

SEOとは、検索エンジン最適化のことで、検索エンジンのアルゴリズムに沿ったコンテンツの最適化を行い、上位表示を狙う施策を指します。

SEO対策は、ユーザーがよく検索するキーワードを把握しタイトルや見出し/文章内にキーワードを適切に配置することや内部リンクの構築など多岐にわたります。

より詳しく知りたい方は下記の関連記事をご覧ください。

また、SEO対策にはモバイル対応も重要です。2019年には、モバイルファーストインデックスが採用され、スマートフォン向けのコンテンツ表示が重要視されています。

モバイル向けの表示速度の改善や、コンテンツのレイアウトをモバイルファーストに最適化することはSEO対策のひとつといえます。

SEO対策では専門的な知識を要する場合が多く、最適なSEO対策を行わないと時間だけを費やし効果を得ることができません。

継続する難易度が高い

オウンドメディアの運営は、初期段階で注目度が低く、アクセス数も少ないことが多いため、運営をやめてしまう企業も少なくありません。

オウンドメディアは、コンテンツの質の向上や読者にとって有益な情報提供が必要です。しかしながら、初めのうちはアクセス数が伸びず、何のために運営しているのかモチベーションが低下し記事の更新頻度が、日をおうごとに下がってしまうケースがほとんどです。

さらに、初期段階ではROI(投資利益率)が低く、投資したコストよりも結果が出るまでに時間がかかることも珍しくありません。とくにコンテンツ制作や更新/SEO対策/分析を外注に依頼している場合は、コストがかさんでしまいオウンドメディアの運営を続けることが難しくなることがあります。

オウンドメディアを運用する場合は、目標管理や作業チーム内での共通認識を持ちモチベーションを維持する工夫が必要です。

片手間ではなく運営体制が必要

オウンドメディアを運営するためには、片手間ではなく運営体制が必要です。

オウンドメディアの運営は、コンテンツ制作やSEO対策/分析/プロモーションなど、多岐にわたる作業が必要となります。すべての作業を自社で行う場合、人員不足や作業量の多さに備えた運営体制を構築しなくてはなりません。

さらに、オウンドメディアの運営には、定期的な更新が必要です。適切な更新頻度を維持するためには、運営担当者がいることが望ましいです。また、読者からのフィードバックや問い合わせに対応するための体制も必要です。

オウンドメディアの運営をする場合は、長期的なコンテンツ運営を見据えて、運営体制を見直すことをおすすめします。運営において、社内リソース不足は多くの企業が抱えております。

当社の記事制作代行サービスでは、特にライターや検収者の不足などの社内リソースに課題を持たれているクライアント企業に好評のサービスとなっています。

オウンドメディア運営でよくある失敗

オウンドメディア運営でよくある失敗の原因は下記のとおりです。

・コンセプトが決まっていない
・目標を設定しない見切り発車
・コンテンツ数が少ない
・定量的にニーズを捉えられていない
・ユーザーの生の声をコンテンツに反映できていない
・流入経路を考えたコンテンツが作れていない
・社内の協力が不足

コンセプトが決まっていない

オウンドメディア運営でよくある失敗の原因のひとつに、コンセプトが決まっていないことが挙げられます。

オウンドメディアを運営するにあたり、コンセプトは非常に重要です。コンセプトが明確であれば、どのようなコンテンツを作成するか、どのような読者をターゲットにするかが明確になります。また、読者からの反応を把握し運営方針の見直しにも活かせます。

一方コンセプトが決まっていない場合、コンテンツの方向性や読者ターゲットが曖昧になり、読者からの反応も得られにくくなります。運営方針を見直す際にも、どのような方針を取るべきかが定まらず、改善策を見つけることが難しくなってしまいます。

また、コンセプトを頻繁に変更してしまうと一貫性のないオウンドメディアになってしまうため注意が必要です。

運営の際は、かならず自社にあったコンセプトを明確にして、読者に合った記事を発信することが、オウンドメディアの成功につながるといえます。

コンセプトと同じくペルソナの設定も大切

コンセプトの重要性について先述しましたが、コンセプトと同じようにペルソナの設定も大切です。

ペルソナとは、年齢/性別/職業/年収/趣味など、時には身長や体重といったことまで詳細な人物像を指します。多くの企業ではターゲット設定をしていますが、ペルソナ設定を怠っている企業は少なくありません。

ターゲットより詳細なペルソナ設定をすることでユーザーの課題を見つけやすくなり、併せてコンテンツテーマの絞りこみもしやすくなります。

ペルソナについては、以降『定量的にニーズを捉えられていない』に記載ある関連記事『【2023年版】オウンドメディアの正しい運用方法と注意点を解説』にて解説をしております。

目標を設定しない見切り発車

オウンドメディア運営でよくある失敗の一つが、目標を設定しないまま見切り発車することです。このような失敗が起こる理由は、UU数/セッション数/記事数などの重要な指標を決定せずに運営を進めることによって、どの方向に向かっているのか分からなくなってしまうことが挙げられます。

目標となる指標を設定することで、何を達成したいのか具体的な戦略を立てることが可能です。たとえば、月間のUU数を10000にするという目標を設定した場合、そのためにはどのような記事を書くべきか、どのようなプロモーションをすれば良いのかを考えることができます。

オウンドメディアの立ち上げ当初は、最終的な目標だけでなく月、週ごとに投下する記事本数を設定し、運営が徐々に軌道に乗り始めた段階でUU数/PV数/CTR/CV数などを意識するといいでしょう。

ただし、目標数字を意識しすぎてしまうと、質の低い記事が増えたり、コンセプトから外れた運営になることがあります。そのため、数字を意識しながらも、読者にとって有益な記事を提供することを前提とした取り組みが重要です。

オウンドメディアの運営で方向性を見失ったり、読者に不要な情報を提供することになってしまうことがないようにターゲット/ペルソナに沿って目標を意識したコンテンツを提供することを意識しましょう。

コンテンツ数が少ない

次に、コンテンツ数が少ないという理由が挙げられます。オウンドメディアでコンテンツを増やす理由は下記の2つです。

メディアにコンテンツ数が少ないとユーザーが訪問した際に満足する情報量を提供できない
検索エンジンがコンテンツごとの文字量や質/情報量を評価して検索順位を決定している

コンテンツ数が少ないとコンテンツ単位で流入されるユーザーが増えず、継続的なメディアへの流入やファンの獲得につながりにくいためCV数の増加を期待できません。

また検索エンジンは、ユーザーが検索したキーワードに適した情報を検索結果に表示します。ユーザーに役立つ情報を提供するために、コンテンツの量や質、更新頻度などを評価基準としています。コンテンツごとの評価が低いことで検索結果の上位に表示されません。

アクセスを増やすためには、運営者は定期的な更新を心がけ、コンテンツの品質を向上させるために、ライターや編集者を採用することが必要です。また、コンテンツの量や対策キーワードについては、事前に計画を立て、目的に合わせた充実したコンテンツ提供をすることが大切です。

最適なコンテンツ数の決まりはないため、オウンドメディアの運営をする前に、自社メディアが扱うテーマの競合サイトをリサーチして、各競合サイトの記事数を目安にコンテンツ数を設定したり、定期的なリサーチをおすすめします。

定量的にニーズを捉えられていない

オウンドメディアの運用で、むやみに記事数を増やしても大きな効果を得ることはできません。多くのオウンドメディアの失敗例では、定量的な調査を行わず、主観的な意見や仮説に基づいてコンテンツを制作してしまう傾向があります。

コンテンツはユーザーニーズを捉えつつ、記事数を増やしていくことが望ましいです。

ユーザーニーズは、Googleが提供するGoogleキーワードプランナーにて、キーワードに対する月間の検索エンジンで検索された回数を調べられます。

例えば、オウンドメディアで「美容」に関する記事を発信するとしましょう。キーワードプランナーを使用して「美容」と関連するキーワードを調査することができます。その結果、検索数が多く競合度が低い「美容法」や「美容ケア」などのキーワードを見つけることができました。

これにより、オウンドメディアは「美容法」や「美容ケア」にフォーカスしたコンテンツを制作し、より多くのアクセスを獲得することにつなげられます。

また、キーワードプランナーを使って定量的な戦略を立てることで、成功したキーワードやコンテンツの分析を行うこともできます。キーワードプランナーを使って集めたデータを分析することで、どのキーワードやコンテンツが成功しているのか、何が改善点なのかを把握し、戦略の改善を行うことができます。

オウンドメディアを運営する際は、定量的なニーズを『Googleキーワードプランナーにて月間の検索回数』を調べて、効果的なキーワードの選定ができます。

『コンテンツ数が少ない』『定量的にニーズを捉えられていない』失敗について先述しましたが、当社では、クライアント企業の記事を上位表示させるために独自の運用方法をおこなっております。

以下関連記事より施策の一部を開示しておりますので詳しく知りたい方はご覧ください。

ユーザーの生の声をコンテンツに反映できていない

オウンドメディア運営で失敗する例として、ユーザーの声を反映できていないことが挙げられます。

コンテンツを企画・制作する際に、自分たちのアイデアや思い込みで物事を考えすぎ、ユーザーの実際のニーズや問題を見落としてしまうことがあります。また、ユーザーとのコミュニケーションが不十分である場合、自社の意見や主張ばかりを述べてしまいユーザーが欲しい情報や役立つ情報を提供できなくなってしまいます。

ユーザーの生の声をコンテンツに反映するためには、ユーザーとのコミュニケーションを積極的に取り、リサーチやアンケートなどでユーザーの声を集めることが必要です。

例えば、TwitterやInstagramなどのSNSを活用することで、ユーザーが実際に抱える課題や悩み、関心のある最新のトピックを把握し、ユーザーの声に合わせたコンテンツを提供することで、ユーザーにとって価値のある情報を提供できるようになります。

また、口コミサイトやyahoo!知恵袋などもユーザーの疑問や実際の評価を知ることができるので、コンテンツ作りの参考になります。

社内に営業部門やCS部門がある企業であれば、顧客からの質問や意見などは非常に質の高いユーザーの声となります。

ユーザーニーズを正確に把握し、それに合わせたコンテンツを提供することが、オウンドメディア運営で成功するためには必要不可欠です。

流入経路を考えたコンテンツが作れていない

流入経路を考えたコンテンツが作れていないこともオウンドメディア運営で失敗する一因です。

ユーザーがどのようなキーワードで検索して、オウンドメディアに訪れるのか、何を求めているのかを把握しなければ、効果的なコンテンツを作ることはできません。

流入経路は大きく分けてオーガニック検索(自然検索)、SNSからの2種類があります。

まずは、オーガニック検索(自然検索)を意識したコンテンツづくりをすることで、長期的な流入が見込めます。サイトが上位表示された場合、検索意図のある多くのユーザーにリーチし続けることができます。

もうひとつの流入経路はSNSです。SNSでは、ユーザーがSNS上で共有したコンテンツやリンクから流入が発生します。そのため、ユーザーの共感やシェアがコンテンツの拡散に大きく関わります。SNSでシェアやいいねをされなかった場合は、ユーザーの流入は見込めません。シェアしたくなるコンテンツづくりを意識することが重要です。

ビジネスの特性や目的によって異なりますが、オーガニック検索とSNSは、それぞれの特性を理解し、適切なマーケティング戦略を構築することが大切です。

例えば、Webサイトを持っている企業にとっては、オーガニック検索が優先されることが多いですが、若年層向けの商品やサービスを展開している場合は、SNSが有効な場合が多くなります。

ユーザーがアクセスする経路に合わせてコンテンツを作り、ユーザーが求める情報や解決したい課題に応えることができれば、オウンドメディアの評価も高まり、コンバージョンにもつながるでしょう。

オウンドメディアの運営では流入経路を考慮したコンテンツ作りが重要であり、成功するためにはユーザー視点を持つことが欠かせません。

社内の協力が不足

オウンドメディアの運営には、コンテンツ制作だけでなく、運営やマーケティングの面でも多くの人員や部署の協力が必要です。しかし社内の協力が不足していると、運営に必要なリソースが十分に確保されず、品質の高いコンテンツを作り続けることができなくなってしまいます。

また社内の人員がオウンドメディアに関心を持っていない場合、コンテンツの企画や執筆に時間がかかり、更新頻度が低下してしまうことがあります。

社内の協力を得るためには、オウンドメディアの役割やメリットを社内で共有することが重要です。社員がオウンドメディアに参加しやすい環境を整えることで、コンテンツ制作のモチベーションを高めることもでき、予算の交渉もスムーズにいくかもしれません。

企業全体でオウンドメディア運営に取り組むことで、より質の高いコンテンツを継続的に提供し、ユーザーからの支持を得ることが期待できるでしょう。

ここで差が出るオウンドメディア運用の重要ポイント

競合他社と差が出るオウンドメディア運用の重要ポイントは下記のとおりです。

・顧客目線の情報提供
・独自性コンテンツを意識
・コンテンツに自社の付加価値をつける
・制作スタッフの体制構築

顧客目線の情報提供

オウンドメディアを運用する際には、顧客目線で情報を提供することが非常に重要です。なぜなら、ユーザーの問題を解決したり、役立つ情報を提供することでコンバージョンやブランディングなどにつなげられるからです。

また、顧客目線で情報を提供することは、顧客との信頼関係を築くためにも不可欠です。顧客が自社のオウンドメディアを信頼して情報収集するようになると、商品やサービスの購入にもつながります。つまり、顧客目線で情報を提供することで、オウンドメディアのコンテンツがビジネスに貢献することが期待できるといえます。

さらに、顧客目線で情報を提供することで、自社の商品やサービスに関する洞察を得られます。顧客の問題や要望を把握することで、ビジネスの改善点を見つけることができるため、より良いビジネスの展開につながるかもしれません。

独自コンテンツを意識

オウンドメディア運用において、独自性のあるコンテンツを作成することは非常に重要です。それは、競合他社との差別化や、ユーザーにとって新しい情報や価値を提供することができるためです。

また、独自性のあるコンテンツは、他社からの模倣を受けにくく、コンテンツの質を維持しやすい特徴があります。ただし、独自性を重視するあまり、ユーザーが求める情報やニーズに対応できていなければ意味がありません。そのため、独自性とユーザーのニーズを両立させることが重要です。

独自性のあるコンテンツは、企業の強みや専門知識、または社員の経験や知識を活かすことができます。しかし、単に情報を提供するだけではなく、その情報を分析し、分かりやすく説明できるような、付加価値のあるコンテンツを作成することが求められます。

コンテンツに自社の付加価値をつける

オウンドメディアには、自社の製品やサービスに関する情報を発信することが重要ですが、それだけでは読者の関心を引くことができません。

コンテンツに自社の付加価値をつけることで、より多くの人々に興味を持ってもらえる可能性が高まります。例えば、業界のトピックについて分析や解説をすることで、読者に有益な情報を提供することができます。また、自社の専門的な知識や技術を活かして、その分野に関する独自の視点や情報を提供することも有効です。

コンテンツに自社の独自の付加価値を提供することで、読者からの信頼度が高まり、自社のブランドイメージの向上が期待できます。

制作スタッフの体制の構築

オウンドメディアを運用するには、多種多様なコンテンツを作成し続ける必要があります。しかし、コンテンツ制作にはさまざまなスキルが必要であり、一人で行うのは困難です。

そのため複数のスタッフを擁するチームを組織し、効率的なコンテンツ制作体制を構築しなければなりません。

具体的には、編集者やライター、デザイナー、カメラマンなど、それぞれの得意分野を持ったスタッフを揃えることが必要です。

また、チーム内での役割分担やスケジュール管理など、コンテンツ制作を円滑に進めるためのプロセスも整備する必要があります。適切な体制を整えることで、より多彩なコンテンツの制作が可能になり、オウンドメディアの魅力や価値を高められます。

まとめ

本記事では、『オウンドメディアは意味がない』と運用に悩んでいる担当者向けに解説しました。
オウンドメディアの特性上、効果が出るまで時間が必要です。また継続していく企業の運用体制も効果を出すまで重要な要素になります。

オウンドメディアの検索流入を増やし、設定した目標/数値を達成するために、本記事で書いた失敗を参考に、自社のオウンドメディアに活かしてもらえたら幸いです。

関連記事では、本記事で不足している情報を詳しくまとめております。

オウンドメディア、コンテンツマーケティングについて多数記事を配信しておりますので、この機会に適切なオウンドメディアの知識を覚えて、効果的なオウンドメディア運用に活かしてもらえたらと思います。