オウンドメディアは企業の『認知拡大』や『リード獲得』『人材採用』などに利用されていますが、ブログやホームページで記事を配信するだけではなく、SNSや広告/YouTubeを併用してさまざまな集客方法があります。
本記事では、オウンドメディアで集客をするために知っておきたいメリットと失敗してしまう注意点を紹介します。
オウンドメディアで集客するために必要な方法を知りたい方は本記事を参考に自社のオウンドメディアに活かしてもらえたらと思います。
なぜオウンドメディアでの集客が必要なのか
オウンドメディアでの集客が必要とされる理由のひとつに『時代の変化』があげられます。
すでにテレビや紙媒体の広告に頼っていた時代から、集客の方法はさまざまなメディアへ分散され始めています。
一つのメディアに頼るのではなく、いくつかのメディアを活用していく事でより多くの集客につなげることが可能です。
一例として複数のメディアには
・SNS
・リスティング広告
・ディスプレイ広告
・YouTube広告
これらはインターネットの普及に伴い、インターネットでの検索が日常的になったことで簡単にアクセスする事ができるようになりました。
インターネット検索で情報が大量に増えたことで、届けたい広告が消費者の目にとまらないという状態が増えつつあります。
現代においてオウンドメディアは、知りたい情報や探している情報をユーザーが検索し、コンテンツを通して企業のWEBサイトにアクセスしてもらうために最も適した運用として考えられています。
オウンドメディアで集客するメリット
オウンドメディアでの集客には以下の3つのメリットがあります。
- 広告費用の削減につなげられる
- 自社の認知度/ブランド力向上に役立つ
- 自社のファンの獲得ができる
これらについて、順に説明をしていきましょう。
広告費用の削減につなげられる
従来、広告は広告費を投下し続けて集客を行うというものがメインでした。これは消費者に企業が伝えたいものを確実に見てもらえるメリットがあります。
広告を活用した集客は媒体に関わらず継続的な費用が発生することや、運用をやめてしまうと集客が見込めなくなるといったデメリットも抱えています。
ですが、オウンドメディアではほとんど広告費用をかけることなく集客が見込める点がメリットです。配信されたコンテンツは半永久的に残り続け企業の資産につながります。
ユーザーの検索意図に合ったコンテンツを配信することで、コンテンツをきっかけに企業サイトへ流入の導線を作ることができます。
自社の認知度/ブランド力向上に役立つ
広告には情報の拡散力や顧客の流入といったメリットがあります。
ですが広告は掲載期間が決まっていたり、限られたスペース(より目立つスペースほど高価になっている)で情報を発信することや、媒体(YouTubeやTwitter、TVなど)を利用している人にしか届かないといったことが欠点です。
そこを補える手段としてオウンドメディアが有効だといえます。
自社が発信しているコンテンツに関心を持っているユーザーや、検索して初めてコンテンツを閲覧されたユーザーへの有益なコンテンツ配信をすることで企業を認知してもらい、定期的にコンテンツを見てもらうことで見込み客から顧客へとつなげることができます。
自社のファンの獲得ができる
オウンドメディアで正しい運用を行い継続的な情報発信を続けると、サイトを閲覧されるユーザーが増えてきます。
有益な情報や、専門性があるテーマのコンテンツであればユーザーに認知してもらうことができ、メディアを運営する企業に信頼感をもってもらえる可能性が高まります。
継続的にオウンドメディアを更新し続けることで、自社の商品/サービスに興味を持ったり、自社のファンへ育成をしていくことが可能です。メディアを通して長期的なユーザーとのかかわりをもつことはオウンドメディアを運用していく上で重要です。
ファンとなってくれた一定数のユーザーはリピーターとして再度、購買につながる可能性が高まります。またユーザーによってSNSや口コミで情報が発信されることで、拡散がされすくなり、さらなる集客やマーケティング活動にも大きく影響します。
オウンドメディアのデメリット
オウンドメディアでの集客にはメリットだけでなくデメリットもあります。
- 運用のリソースが必要になる
- うまく集客につながらない
- 効果が実感されるまで時間がかかる
『運用リソース』とは、オウンドメディアを立ち上げるために必要な人員や費用などのことを指します。ただ単に立ち上げるだけではなく、まず運用リソースがどれだけ必要であるかをしっかりと把握しておくことが重要です。
オウンドメディアを立ち上げたからといって、すぐに集客が見込めるわけではありません。
コンテンツを継続的に更新していくことや、効果測定をおこない既存コンテンツを改善していくことで徐々に効果を発揮します。そのため、継続した運用のリソースが必要となります。
オウンドメディアは短期的な施策ではなく、長期的に運用を行っていく事で集客効果を発揮する事を理解しましょう。
オウンドメディアの集客方法
長期的な施策として考えられるオウンドメディアでは、どのように集客していく必要があるのでしょうか。
一例として具体的な集客方法は下記になります。
- SEO
- SNS
- Web広告
- YoutTube
- メルマガ
SEO対策
『SEO』とはSearch Engine Optimizationのことで直訳すると検索エンジン最適化という意味です。
ユーザーは知りたい情報があるとき、検索エンジンでワードを検索します。狙ったキーワードで検索結果の上位に自社のコンテンツを表示させる施策がSEO対策です。
運営していてるオウンドメディア内に多くの記事があったとしても、ユーザーが検索するであろうキーワードで検索結果の上位に表示されていなければ、集客を行うことができません。
検索エンジンの順位決定方法は、検索アルゴリズムによって決まりますが、アルゴリズムは日々進化し続けており
- 更新頻度
- 検索キーワードとページの関連性
- サイト内でのユーザー行動
- サイトのユーザビリティ/アクセシビリティ
- 表示速度
など様々な要因によって決定されています。
SNS
オウンドメディアとSNSは相性がよく、オウンドメディアでの集客を行う為にはこれらを併用することをおすすめします。
Twitterはシェア機能があり、大勢のユーザーに瞬時に情報を伝えることができます。自社の投稿をシェア/リツイートしてもらうことで今まで知らなかったユーザー層に情報が伝わる可能性が高い媒体です。
Instagramは自社の認知度向上へつなげたり、比較的若い層の利用が多いのが特徴です。インフルエンサーに情報を発信してもらうことで集客数が大幅にアップすることも見込めます。
Facebookは実名登録を基本としているため、ユーザーからの信頼を得やすい点が特徴です。客層としては30代〜50代を中心に活用されているSNSといえます。
SNSもオウンドメディア同様に、長期的に育てていく必要があり、アカウントを開設したからといってすぐに集客効果がでるようなものではありません。
SNSアカウントを保有していない場合は、オウンドメディアと一緒に育てていく感覚で運用を行う事をおすすめします。
Web広告
オウンドメディアを閲覧してもらう方法として、Web広告を利用する方法もあります。
広告の露出方法が様々で、バナーで配信される『ディスプレイ広告』や、拡散性が高い『SNS広告』、検索結果に表示される『リスティング広告』などがあります。
オウンドメディアは、LP(ランディングページ)などとは異なり、ユーザーに有益なコンテンツを提供していくものです。
そのため、ユーザーに嫌煙されがちな企業の広告でも、オウンドメディアのコンテンツを広告として配信する事で受け入れられやすくなるといった特徴があります。
YouTube
最近ではオウンドメディアの集客方法の一つとして、YouTubeの活用も主流になっています。
オウンドメディアでは画像と文字だけでしか自社をアピールできませんが、YouTubeは動画で豊富な情報と映像/音声でユーザーに訴求ができます。
文字離れが増えている中、文章を読むのが苦手な人にも声や音だけで自社のサービスや商品を伝えることができます。
YouTubeでは、
- 見る人を引き付けるサムネイル作り
- タイトル、概要欄の説明文作り
- ひとつの動画が長くなりすぎないようにする
- 有名人の起用
など企業独自の戦略が必要となってきます。検索されやすいワードを説明文に記載したり、興味を持たせるタイトルをつけたりと専門的な知識が必要です。
また、Youtubeとオウンドメディアを併用する事で相互集客の効果が生まれたり、オウンドメディア上に動画を埋め込んで文字だけでは伝えにくい表現を補完するといったメリットにも繋がります。
メールマガジン
メールマガジンは、企業からユーザーにプッシュできる直接的な集客方法の一つです。
配信希望をする人に情報を発信することでファンとのつながりを保ち、集客につなげることができます。
オウンドメディアで作成したコンテンツをメールマガジンにリンクとして貼っておくことで同時に閲覧数も増加させる事が可能です。
ただ、メルマガを配信する為には事前に配信する為のメールアドレスを取得しておく必要があります。
- オウンドメディアで集客を行う
- ユーザーが興味を持ちそうな資料をダウンロードしてもらう
- 獲得したメールアドレスをメール配信サーバーへ格納
- 定期的な配信
と、事前の準備があって開始する事のできる施策となるため、オウンドメディアの運用戦略として予め組み込んでおく必要があるでしょう。
オウンドメディアで失敗する共通点
オウンドメディアで失敗する企業には共通点があります。『なぜ失敗してしまうのか』その理由の多くが下記の3つです。
- ペルソナが曖昧に設定されている
- SEO対策が不十分
- 運用リソースが不足している
ペルソナが曖昧に設定されている
『ペルソナ』とは自社の商品やサービスを利用してくれるターゲットを、より細かく設定した人物像のことを指します。
ペルソナの設定で重要なのは、どれだけリアルな人物像を作れるかということです。氏名や年齢/趣味/住んでいる場所/間取り/家賃などの情報などを細かく設定します。
ペルソナの設定が詳細に把握できていないとオウンドメディアの軸が固まらずターゲットに適したコンテンツ制作が困難となるためです。
ユーザーのことを考えペルソナを明確にして、メディア戦略やキーワードの選び方、コンテンツ制作の方向性を決めていくことが必要です。
個人の心境の変化や、ライフスタイルは時流によって変化します。時間の経過でペルソナの心理状況に変化はないかなど、定期的な見直しも重要です。
SEO対策が不十分
SEO対策が不十分な場合、デザインや見た目が良いオウンドメディアも、閲覧数は上がらず効果を実感できません。
先ほどのペルソナの設定とも関係して『誰をターゲットに』、ターゲットがどんなキーワードを検索するのかという点を組み入れ、コンテンツの制作/選定をする必要があります。
キーワードによって、漢字やカタカナ/平仮名で検索意図が大きく異なってくることがあるため注意し選定を行いましょう。
メディア運営側の伝えたいことばかりではなく、ターゲットユーザーの視点で考えることで、SEOでの上位表示やメディアの閲覧数を上げていくことにつながります。
SEOの観点では『読者にとって情報が有益であるか』『読みやすいか』なども関係します。
運用リソースが不足している
オウンドメディアは、継続的な運用が不可欠な取り組みとなるため、リリース後の運用や更新していくコンテンツが非常に重要です。定期的にコンテンツを追加したり、内容を追加して更新するリライトが鍵となってきます。
運用リソースがない場合、コンテンツの作成/配信や効果測定を行うことができず、コンテンツの配信が止まってしまい結果的に失敗へとつながってしまいます。
そのため、外部に制作を依頼したり、運用のコンサルティング会社に依頼することで、社内リソースの改善が可能です。
集客後の効果計測
オウンドメディアでの集客が順調なのか、そうではないのか。効果計測を行いましょう。
- コンバージョン(CV)の設定
- コンバージョン(CV)した人への対応
コンバージョン(CV)とはマーケティング分野において『成果』のことを指します。
Webマーケティングをするうえで重要な指標となってきますのでオウンドメディアで集客を成功させるために抑えていくことが重要です。
コンバージョン(CV)の設定
コンバージョン(CV)の設定は、オウンドメディアの『ゴールを何なのか』を設定することです。企業によって何をCVとするか変わってくるので明確な設定が必要です。
- 商品の購入
- 資料のダウンロードやお問合せ
- サービスの利用を目的とした予約
- お客様情報獲得を目的とした会員登録
- セミナーへの参加
などがあります。
コンバージョン(CV)設定を明確にして目標に向けて正しく施策することが、オウンドメディアで集客を成功させるために重要です。
現在、コンバージョン地点が『お問い合わせ』や『見積もり』などしか存在しない場合、オウンドメディアの特性上コンバージョンしずらい傾向にあります。
この場合は、マイクロコンバージョン(本来のコンバージョン地点よりも敷居の低いCV地点)を設定するような工夫が有効となります。
上記のケースなら、『メールアドレスの入力だけでダウンロード可能なホワイトペーパー』や『無料セミナー』などがマイクロコンバージョンとして有効となるでしょう。
コンバージョンした人への対応
設定したコンバージョンを達成させていく為の改善はとても重要となります。
しかし、コンバージョン(CV)されなかったユーザーへの対策をユーザー視点で実行することも必要です。
コンバージョンを最大化させるためには、成果がでていない数値を知り、改善する必要があります。
たとえばコンバージョンの設定を『ホワイトペーパーのダウンロード』にしたり、遷移させるサイトのユーザビリティ(UI・UX)を改善する事が可能です。
効果測定から分かるメディアの課題を改善することで、コンバージョンの向上につながります。
ポイントである『コンバージョン(CV)の設定』『コンバージョン(CV)した人への対応』をしっかりと行うことが、オウンドメディア集客の成功につながります。
本記事では、オウンドメディアで集客するための方法や、失敗してしまう共通点についてまとめました。
オウンドメディアの利点を活かしきる事ができれば最低限の広告費で大きなリターンを得ることが可能です。
オウンドメディアとSNSやYouTube、他の広告を併用していく事でシナジーが生まれ、効果を最大化していく事にも繋がります。
自社が行える方法を検討し、成果の最大化につなげてもらえたらと思います。
フォーデザインでは、オウンドメディアの立ち上げから伴走型の運用支援を行っています。
「立ち上げたけど、成果に繋がらない」といったお問い合わせを多く頂いており、そのような企業様に伴走型でサポートを行う事で課題改善に繋げていく事に自信を持っています。