オウンドメディアの成功事例と成功する企業の共通点について紹介

オウンドメディアの成功事例と成功する企業の共通点について紹介

弊社フォーデザインには日頃

  • 『自社の商品やサービスをもっと多くの人に知ってもらうにはどうしたらいいか?』
  • 『営業以外の方法で新規顧客を獲得したい』
  • 『求人サイトなどは使わずに応募を増やしたい』

といった相談を多くいただきます。

そういった課題を解決するためには、広告運用やSEO対策など様々な施策がありますがその手段の一つとして『オウンドメディアでコンテンツ配信をする』施策(コンテンツマーケティング)があります。

オウンドメディアを運営しコンテンツ配信を行っていくことで、これまで訴求できていなかった潜在顧客層にまでアプローチ出来る施策です。

本記事では『オウンドメディアを運用したい』『コンテンツ配信をしていきたい』といった広報の担当者やマーケティング担当者に向けて書いた記事になっています。
上記のような同じ悩みを持たれている方は導入文以降を読んで頂けたらと思います。

オウンドメディアの知識から再確認されたい方は下記記事が参考になります。
オウンドメディアとは?基礎知識と失敗しない運用方法ポイントまとめ

顧客との接点作りにオウンドメディアを活用した事例

顧客との接点作りにオウンドメディアを活用した事例

オウンドメディアで成果を出している企業は年々増え続けています。

成果を出している背景として、ユーザーの『リテラシーの向上』や『広告離れ』が考えられます。従来は、広告を出稿するだけで顧客を獲得できていましたが近年、企業が配信する広告は、ユーザーに警戒され成果を出すことが難しくなっています。

ユーザーは、『興味/関心がある情報』を探す行動を行い『自分に興味があるコンテンツ』や『参考になるコンテンツ』を求めているため、オウンドメディアのような広告色が薄いメディアは、ユーザーに好まれる相性の良い露出方法といえます。

オウンドメディアはユーザーが求めているコンテンツ配信をすることで、サイトへの流入者を増加させ、これまで企業を知らなかったユーザーを見込み客へと育成し、企業とユーザーとの接点を増やすことが可能です。

まずはオウンドメディアを顧客との接点作りの場として活用した事例を2つ紹介します。

ferret

ferret』はマーケティング関連のサービスを提供している『株式会社ベーシック』が運営しているオウンドメディアです。

株式会社ベーシックは、

  • データ分析
  • Web広告
  • SNS活用

など、主にWebマーケティングの領域でさまざまなコンテンツを提供している企業になります。

『マーケターのよりどころ』をコンセプトに、将来的に自社のサービスを必要とするであろう見込み客をターゲットにオウンドメディアを運営しています。
メディア開始から半年で月間100万PV数を獲得し、現在も450万PVを突破するオウンドメディアです。
BtoBかつマーケティング系のメディアの中でもトップクラスのアクセス数を誇っています。

LIGブログ

LIGブログ』はコンサルティングやシステム開発、Web制作などを担当している『株式会社LIG』が運営しているオウンドメディアです。

LIGブログはWeb制作を中心としたコンテンツについて発信をおこなっています。

Web制作やビジネスにおいて活用できるスキルに対して興味のある層をターゲットにしたオウンドメディアとして成功した企業です。

『社員ブログ=サラリーマンブログ』をコンセプトにLIGの社員が月に1本記事を書くルールがあります。社員ブログはWebやITに関する専門的な内容はもちろん、遊び心のあるブログを取り入れていくことで他社との差別化につながり知名度のあるメディアになりました。

月間300万PVを達成するなどオウンドメディア運営で成功した企業の1つです。

オウンドメディアをブランディングとして活用した事例

オウンドメディアをブランディングとして活用した事例

オウンドメディアは、自社や同業種に関係する情報を紹介することでユーザーの信頼を得やすくなります。

オウンドメディア運営を自社のブランディングに活用した事例を3つ紹介します。

北欧、暮らしの道具展

北欧、暮らしの道具展』は、EC事業やメディア事業などを手掛ける『株式会社クラシコム』が運営しているオウンドメディアです。

北欧風のインテリアや家具などに興味のあるユーザーをターゲットに絶大的な支持を誇っています。

一番の特徴は、オウンドメディア内で商品の購入とユーザー目線に寄り添って丁寧に作り込んだコンテンツです。
『北欧、暮らしの道具展』は商品に関する説明のみではなく、商品を購入した後にどのように活用していくのか使用例を交えたコンテンツになっています。

月間UU数150万/月間PVは1600万回以上と閲覧されている成功した企業になります。

サイボウズ式

ソフトウェア開発を専門領域とするサイボウズ株式会社がオウンドメディアとして運営する『サイボウズ式』です。

『企業と読者との間にコミュニケーションという架け橋を築く』ことに注力した点が特徴です。

月間PVも月に20~40万ほどとこれまで紹介した企業に比べて決して多い数字ではありませんが、どこまでもユーザーに寄り添ったコンテンツ制作をしています。

『新しい価値を生み出すチームのメディア』をコンセプトに『カイシャ/組織』『家族と仕事』『働き方/生き方』をテーマとしたコンテンツを発信しています。

例えば『大切な人がしんどいときは対話/日常/戦略的ご自愛』で乗り越えるというタイトルの記事が公開されており、今後必ず直面するであろう問題をテーマにしたコンテンツになっています。

▼出典:https://cybozushiki.cybozu.co.jp/articles/m006067.html

ユーザー目線に寄り添ったコンテンツが話題を呼び、安定した月間PV数を誇っています。

アマノ食堂

アマノ食堂』は食品関連事業の大手企業である『アサヒグループ食品株式会社』が運営しているオウンドメディアになります。

これまでアマノフーズの主力商品の購入は50~60代の年齢層が中心でしたが、フリーズドライという簡単で便利な食をぜひ多くの人に知ってほしいという想いから、ターゲット層を20〜40代に変更してコンテンツ配信しています。

運用開始から3年で100万PV数に到達しメディアでの認知度を向上させており、自社の宣伝を抑えた施策がいかに効果的だったかを示す模範的なメディアです。

オウンドメディアを採用目的で活用した事例

オウンドメディアを採用目的で活用した事例

オウンドメディアを採用活動の施策としてメディアを立ち上げ、運営をしている企業が増えています。

オウンドメディアリクルーティング』という言葉があり、これまで求人サイトで応募/採用していく採用活動が主流でしたが近年、入社後のミスマッチによる早期退職者の増加や求職者の価値観の変化によって、求職者自身が『自分で企業を探す』行動に変化しています。

オウンドメディアで採用活動をすることで求人サイトでは掲載できない『働く日常』や『社員の素顔』をコンテンツにすることで社内の雰囲気や職場環境などをコンテンツを通して発信することができます。
そのため、企業と求職者のミスマッチのない採用活動ができるようになり、早期退職などの離職率を減らすことにつなげられます。

採用活動のオウンドメディアを運営している事例を紹介します。

mercan

mercan』は人気フリマアプリ『メルカリ』を開発した『株式会社メルカリ』が運営しているオウンドメディアです。

元々は中途採用をメインに運営をしていましたが、入社後のミスマッチが問題になり採用問題を解決するために『mercan』というオウンドメディアを立ち上げた背景があります。

主にエンジニアやプログラマーなどの働き方や、日々の出来事をイベント/ブログ/インタビュー形式で紹介し、自社の魅力を広げる活動をおこなっています。

求職者により身近に感じてもらいやすくするために自社の雰囲気や活動/業務内容を知ってもらうよう『フラットな会話形式』としてコンテンツ配信が魅力です。
求職者側の心理を考えたコンテンツ配信によって採用のミスマッチを防ぐだけではなく、自社の魅力が内外部にも伝わるようなメディアに成長し2019年には月間30万PVを達成しています。

ジモコロ

ジモコロ』は地域型の求人サービスを展開する『株式会社アイデム』とメディアスキルを持ち、面白い内容のコンテンツを発信する『株式会社バーグハンバーグバーグ』と共同で運営しているオウンドメディアです。

実際に47都道府県に足を運び、取材をしている点が特徴です。それぞれの地域における仕事やグルメ/地域の魅力的なポイントなどをコンテンツにしています。
取材地域へ足を運び自ら一次情報を得て制作されたコンテンツが他社と差別化されています。

オウンドメディア運営を行う上で『自社独自のコンテンツ配信』ができるかが重要です。

地元の良さや面白い記事を読みたい人をターゲット層とし、2016年にはイーアイデムにてバイトまたは正社員として応募する人の10%が実際にジモコロの読者となり、採用面で成果を上げたことがうかがえます。

『地名+求人』といったキーワードでにSEO対策、またジモコロへアクセスしたユーザーへのリターゲティングを行ってイーアイデムの効果を上げる側面にも寄与していそうです。

その他有名オウンドメディアの事例

その他有名オウンドメディアの事例

ここまでオウンドメディアで成功した事例を3パターンに分けて紹介しましたが、他にもオウンドメディアで成功した企業はあります。
最後にいくつか上記以外の面でオウンドメディアとして成功した事例を4つ紹介します。

THE BAKE MAGAZINE

THE BAKE MAGAZINE』はチーズタルトを専門領域として、全国でも人気を誇る製菓会社である『株式会社ベイク』が運営するオウンドメディアです。
基本的には自社の商品や製菓業界に関するコンテンツを発信しています。

『THE BAKE MAGAZINE』はデザイン/テクノロジー/ビジネスを掛け合わせて、お菓子やスイーツに価値を創出するためのコンテンツ配信が特徴です。

製菓業界全体を変革することをコンセプトとして掲げ取材先/メディア/採用にフォーカスし、自社のブランドを確立することに注力しました。

今では月間7万PVを達成するほど企業ブランドに成長し、求人媒体の利用なく採用活動を成功させています。

FASHION HEADLINE

FASHION HEADLINE』はファッションを専門とする企業『株式会社ファッションヘッドライン』が運営するオウンドメディアです。

株式会社ファッションヘッドラインは『三越伊勢丹ホールディングス』と『イード』が共同出資して設立しました。同社は『縮小傾向にあるファッション業界全体を盛り上げたい』という想いから『FASHION HEADLINE』とメディア名を付けられています。

共同出資した2つの企業のうち、出資のほとんどを三越伊勢丹ホールディングスが賄っています。記事全体で三越伊勢丹のものは1割以下と少なく中立性に重きをおいた情報発信が特徴です。

コンテンツの内容はファッションを中心にエンタメ/デザイン/アートと多岐にわたり、さらに東京コレクションやパリコレなどの展示会には現地に出向いて自ら取材を行うことでオリジナリティを創出しています。

読者目線に寄り添ったコンテンツが刺さり月間PV数が300万に達するなど、中立性を意識したコンテンツ制作がいかに大切かを教えてくれる事例です。

TERIYAKInews

TERIYAKInews』は実業家としても有名な堀江貴文氏が自らプロデュースしているオウンドメディアです。

『本当においしいグルメを探せるサービス』をコンセプトに、堀江貴文氏が自らプロデュースしているグルメアプリ『TERIYAKI』では紹介しきれないグルメを紹介しています。

『TERIYAKI』が他のグルメメディアやアプリと一線を画しているのが、テリヤキストと呼ばれる食通の方々が記事を執筆している点です。

現在Twitterのフォロワーは4.7万人とSNS上でも人気のコンテンツであり、会員制のコミュニティサロンとして『TERIYAKI美食倶楽部』を創設しています。

コミュニティサロンの運営によりユーザーとのコミュニケーションの距離感が縮まり、熱心なファンの獲得に成功しています。

ボクシルマガジン

ボクシルマガジン』はSaaS市場において、SaaSの比較や検索サイトの運営元である『株式会社スマートキャンプ』が運営しているオウンドメディアになります。あマーケティングやデータ分析に関する記事が多く、鮮度の高い情報を更新し続けているのが特徴です。

メインターゲット層は、BtoBのクラウド型サービスの導入を検討している企業/担当者になります。

『ボクシルマガジン』ではユーザーに検索されやすいキーワードを積極的に活用し、自社サービスも含めたツールの特徴紹介やサービス比較のコンテンツがメインです。

新規記事の更新だけではなく、古くなった既存記事のリライトを行い、記事の鮮度を保っているのも大きな特徴の一つになります。
Googleなどの検索エンジンはクローラーが日々、WEB上を巡回し表示順位を変動させています。そのため、検索エンジンに評価されるためにはリライト作業は必須です。

オウンドメディアで成功する共通点

上述したように、オウンドメディアはターゲットやコンセプトなど、ユーザー目線で必要な情報を明確に決定し発信することが重要です。闇雲にコンテンツを制作/配信しオウンドメディア運営をしても成果にはつながりません。

多くの企業が取り組まれているオウンドメディア運営において『成功している企業にはいくつかの共通点』があります。

以下ではオウンドメディア運営において成功した企業の共通点を4つ紹介します。

目的とKGI/KPIが明確になっている

オウンドメディアを運営する際には

  • 『問い合わせの60%は検索から獲得する』
  • 『成約に近いキーワードで1ページ目に掲載される』

などの具体的な目標を設定した上で取り組む必要があります。

目標と評価指標が定まっていないと『目標が達成できているか』『進捗に問題ないか』といった判断ができないため、目標を達成できているかすら判断することができません。

そのため、目標を達成するための指針としてKPI(重要業績評価指標)を設定することが重要です。

具体的にKPIを定めることで日々の業務において個人やチームの行動指針を明確に示すことができます。KPIと同様にKGIもオウンドメディア運営において重要な決定項目になります。

KGIとは、オウンドメディア運営の最終ゴールとして設定する指標になります。オウンドメディアを使って『どのようなことを実現したいか』といったゴールを設定することが重要です。

KGIを設定しないままオウンドメディアを運用してしまうと、コンテンツ内容や施策が定まらず結果的に運用コストが膨らんでしまいます。最終目標を決定することで戦略的なオウンドメディアを運営することができます。

関連記事:失敗しないオウンドメディア運用の目的と重要指標(KPI)について解説

目的に適したキーワード設定ができている

オウンドメディアで成功している企業は『目的に合った戦略で進められている』という共通点があります。

目的が明確に設定されていたとしても、目的に対する戦略の方向性がずれてしまっていると、効果を得ることができません。

例えば自社サービスの問い合わせ数を増加させたい場合、コンバージョンが高そうで検索ボリュームのあるキーワードからの流入を増やす施策を行う必要があります。
しかし、そういったキーワードは競合企業も施策を行っている為、検索結果の上位に表示させるための難易度は高くなる傾向があります。

このように、キーワードを選定するだけでも様々な事を加味して判断をしていく必要があり、オウンドメディアを成功させるためには、目的と戦略のどちらも重要になります。

PDCAが繰り返しできている

オウンドメディアは、コンテンツの配信だけではなくコンテンツ配信後の運用『PDCA』が重要です。

PDCAとは

  • Plan(計画)
  • Do(実行)
  • Check(評価)
  • Action(実行)

の頭文字をそれぞれ取ったものになります。

運営時にPDCAサイクルを行うためにはコンテンツ配信後の数値データが必須となる為、Google AnalyticsやGoogle Search Consoleなどを使用しデータの取得をおすすめします。
取得したデータはどのように分析していくかが重要となりますが、これも目的やKPIをしっかりと設計しておく事で必要なデータの出し方もある程度検討がつくようになるでしょう。

もちろんこれらを行なったからといってすぐに成果に結びつくわけではありません。長期的にPDCAを継続して運用することで成功できる可能性は高まります。

ユーザーニーズに合った情報を配信できている

成功事例でも記載した通り、成功している各企業ではユーザーのターゲット層が細かく設定されています。

対象ユーザーのターゲット層が定まっていないと、ユーザーが求めている情報をコンテンツにすることができないため、ユーザーニーズに対してコンテンツを制作することができません。

オウンドメディアでコンテンツを制作する際は、ターゲットユーザーが関心を持つコンテンツや、ユーザーの悩みを解決するHowtoコンテンツを発信することで満足度を向上させることにつながります。

記事を書くにあたって重要なポイントは、

  • 『ユーザーの求めている情報』
  • 『ユーザーの悩みを解決させる情報』

を『独自の視点』で配信していくことです。

ターゲット層に合ったコンテンツ配信を継続していくことで『〇〇のことといえば▲▲会社』というように、その分野に対して真っ先に認知されやすくなります。

市場やターゲットユーザーの抱える課題をリサーチしたり、その課題に対して自社の商品/サービスがどのような価値をユーザーに提供することができるのかを洗い出し、ターゲット設定を細かくすることが大切です。

まとめ

本記事では、オウンドメディアの成功事例を元に、成功している企業の共通点を紹介しました。

成功している企業は、他社との差別化に成功している点だけではなく、『目的と指標の設定』や『ターゲットユーザーが細かく設定』されています。

当社にお問い合わせを頂くお客様の中でも『成果が上がらない』といった課題が一番多いですが、詳細を伺うと『ターゲット設定が不十分だったり』『コンセプトが曖昧』という事が非常に多くなります。
その背景には

  • マーケティング担当者が何代も代わり状況が分からない
  • オウンドメディアの立ち上げ時はコンサルを受けていたが、解約後に放置となった
  • 自力で立ち上げて、とりあえず記事を数百本公開したが、何が悪いのかが分からない

とった事情を抱えている場合がほとんどです。

当社は、予め設定したフォーマットでは無く企業ごとの課題や背景に合わせた戦略立案から施策支援を行っていますので、まずはお気軽にご相談ください。

本記事が、成果に悩まれている企業様と弊社のマーケティング支援のきっかけになってもらえたら嬉しい限りです。