かつてオウンドメディアはBtoCビジネスが主流でしたが、BtoBビジネスのオウンドメディアも広がっており、成果に繋げている企業が増えてきています。
では、BtoB企業がオウンドメディアを始めるにあたって、具体的にどのようなステップを踏み、運営していけばよいのでしょうか。
本記事では、BtoBビジネスをおこなっている企業が、これからBtoB向けオウンドメディアを立ち上げるための方法から、成果に繋がる運営方法のコツなどを解説します。
成功している企業の事例も紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
BtoB企業にも広がる「オウンドメディア」とは?
オウンドメディア(Owned Media)とは、「自社が保有するメディア」を意味し、ホームページ/ブログ/ウェブマガジンなどが該当します。
オウンドメディアを運営することで、ユーザーの関心を高めて自社製品の購入やサービスの売り上げを拡大させていくことが狙いです。
BtoB(Business to Business)とは、企業間で行われるサービス/ビジネスを指し、オウンドメディアとBtoBを掛け合わせた「BtoBオウンドメディア」は、企業が企業に対して自社の製品/サービスに関する情報発信やマーケティングをおこなうメディアを意味します。
企業向けのBtoBオウンドメディアを持つことで、同じ製品を販売している競合他社との差別化を図れたり、見込み顧客に対してより分かりやすく案内ができるため、ニーズに合った情報を提供することができます。
BtoB企業もオウンドメディアを運営するべきメリット
BtoBオウンドメディアを運営することで得られるメリットは主に以下が挙げられます。
- まだ競合が少なく差別化しやすい
- ターゲットを絞って発信できる
- 営業ツールとして活動できる資産になる
- 商品やサービスを詳しく公開できる
- 上位表示で安定的なリード(見込み客情報)獲得が見込める
- 長期的なブランディングにつながる
詳しく解説していきます。
まだ競合が少なく差別化しやすい
BtoBオウンドメディアは、まだ取り掛かっている企業が少ないのが現状です。
BtoB企業がオウンドメディアを持っているだけでも、優位性があり、他社との差別化も図れるでしょう。
また、BtoBビジネスはニッチな領域の製品・サービスを扱っている場合が多いため、オウンドメディアも独自性のあるコンテンツになる傾向があります。
専門性の高い商品にオウンドメディアにおけるマーケティングで、さらに自社製品の強みや魅力を伝えやすくなるでしょう。さらに、BtoB企業はtoC企業に比べてウェブマーケティングの対策ができていない傾向にあるので、しっかりWeb戦略をおこなえばインターネットでの検索上位が狙いやすいと言えます。
ターゲットを絞って発信できる
BtoBオウンドメディアで大切なのは、ターゲットを絞って情報発信ができることです。
そのため、適切に自社製品/サービスをアピールできます。
ターゲット戦略を事前に行うことが成果に繋げる肝となり、ターゲットユーザーの人物像を明確にして、需要にあったコンテンツを発信しましょう。
BtoBオウンドメディアで発信する情報は、企業が抱えている課題やニーズがメインとなりますが、ターゲットは企業の中の人までイメージすることが大切です。どんな企業や担当者が、何のキーワードで検索するか、抱えている疑問や悩みに対してどのような解決法が提案できるのか、戦略を立てましょう。
なお、ターゲットとなる企業を絞って(エッジを効かせる)コンテンツを発信していく方が、ニーズに刺さり売り上げに繋がりやすくなります。普段取引先から質問されることを記事でまとめるのも有効なコンテンツになり得るでしょう。
営業ツールとして活動できる資産になる
従来の営業活動において、企業側に直接渡していた資料をそのままウェブに公開することで、オウンドメディアが営業ツールへと変わります。
直接企業に営業するのではなく、ターゲット企業が自ら自社を見つけてアクセスしてきてもらえるので、圧倒的に楽になりますよね?
ウェブ上の情報は全世界から365日アクセス可能なので、場所や時間にとらわれず、多くの企業に自社を知ってもらう機会が作れます。自社の個性や商品/サービスの魅力をどんどん発信していきましょう。
商品やサービスを詳しく公開できる
BtoB企業が扱っている商品/サービスは専門性が高く、ニッチなものである傾向があるため、ただ商品情報を紹介しても簡単に理解してもらうことは難しい場合があります。
その点オウンドメディアでは、ユーザーの理解度に合わせて記事を制作したり、情報を網羅して届けることができます。
自社や自社製品について知られていなくても、商品に関連するキーワードから自社のオウンドメディアを見つけてもらえたらなら、そのユーザーは潜在顧客といえます。
潜在顧客に対して丁寧に情報を伝えていくことで、見込み顧客を育てること(リードナーチャリング)になり、将来的に顧客獲得へと繋げていけるでしょう。
BtoCと違ってBtoBの場合、企業は一般的に製品の購入やサービスの導入については、検討期間を長くとり、慎重になります。
購入前に入念に調べ、自社の商品/サービスに対する理解を深めてもらった後にアクションをとってもらえるため、成約の角度も高くなってくると言えるでしょう。
オウンドメディアはいろいろな情報発信が可能です。
自社の強みや商品/サービスの魅力を最大にアピールする場としてぜひ活用してみてください。
上位表示で安定的なリード獲得が見込める
BtoBビジネスでは、BtoCほどコンテンツマーケティングの普及が進んでいません。
そのため、まだまだBtoBオウンドメディアの数が少なく、ライバルが少ないのがメリットと言えるでしょう。
したがって、
- 検索での上位表示が狙いやすい
- 検索の上位表示で企業の信用度や好感度が向上する
- 検索の上位表示で企業のブランディングが期待できる
といった大きなアドバンテージがあります。
一方で、BtoBオウンドメディアが育って、実際に受注を得るなどの効果が出るまでには、時間がかかり長期戦になってしまうことは拒めません。
しかし、将来的に安定的な顧客獲得に繋がっていくオウンドメディアに力を注ぐのは、賢い投資となるでしょう。
多くのBtoB企業はまだまだウェブマーケティングができていません。
競合が少ないうちに、ウェブ戦略としてBtoBオウンドメディアを運営していくことで差別化を図れます。
クオリティーの高いコンテンツを根気強く発信し続けていくと、検索エンジンからも評価を得られ、狙ったキーワードで上位表示が実現できるでしょう。
長期的なブランディングにつながる
BtoBオウンドメディアでコンテンツを発信することは、企業のブランディングに繋がります。
BtoB商品/サービスに関連する専門的でニッチな情報は、なかなかウェブ上にも上がっていないので、オウンドメディアを通して役立つ情報や解決策を提供するだけでも、見込み顧客に良い印象を与えることができます。
ただ単にオウンドメディアを保有するだけではアクセス数を伸ばせません。
SEO対策をしたり質の高い記事を書いたりと、ウェブマーケティングにおいてのスキルは必要ですが、正しいマーケティングをおこなえば、長期的なブランディングへと繋がり、安定的に集客を見込むことができるようになるでしょう。
BtoB企業がオウンドメディアを運営するデメリット
BtoBオウンドメディアの運営は、メリットだけじゃなく、当然デメリットもあります。デメリットは主に以下が挙げられます。
- 専門知識が必要
- 結果が出るまで時間がかかる
- 継続にはコストがかかる
デメリットも理解した上で導入を検討しましょう。
専門知識が必要
BtoBオウンドメディアでは、ターゲット企業側からの信頼や好感を得るためにも、信頼性の高い情報発信と、ウェブマーケティングの知識が必要です。
ウェブマーケティングとは、SEO対策/ウェブライティング/SNSなどのスキルが必要となり、これらの理解が深くない状態で取り掛かってしまうと、オウンドメディアとして十分な成果を上げることが難しいでしょう。
もし自社にウェブ専門のスタッフを配置できないのであれば、WEBマーケティング専門のコンサルティング会社やスキルの高い人材に外注するのも選択肢のうちのひとつです。
結果が出るまで時間がかかる
オウンドメディアは検索エンジンに評価され、狙ったキーワードで上位表示されるまでに時間がかかります。
質の高い記事が定期的にアップされることや、いろいろなメディアからリンク/アクセスされることで徐々に信用を得て成長し、評価されるためです。
オウンドメディアをリリースしたからといって、すぐに受注が入ったり、効果が得られるものではありません。
長期スパンで戦略を立て、コツコツと励んで効果を狙っていく忍耐力が求められます。
最初は労力と得られる結果が割に合わないと感じることでしょう。
半年から1年は、辛抱強く運営していくことを覚悟してください。
継続にはコストがかかる
オウンドメディアの運営で大切なことは継続です。
クオリティーの高い記事を定期的に公開していく必要があります。
オウンドメディアの成功には、初期の設計と、長期的にコンテンツを配信し続ける仕組みづくりが鍵となります。
中途半端なオウンドメディアの運用では、結果が出ずに時間だけが過ぎてしまう可能性もあります。
成果を上げていくために、他社に外注する予算やスタッフの採用を検討していく必要があるでしょう。
BtoB企業のオウンドメディアの始め方
企業がBtoBオウンドメディアを始める際の大まかなステップは以下です。
- 運営目的とKPIを定める
- ターゲットとテーマを策定する
- カスタマージャーニーマップを作成する
- CMSを導入しコンテンツをストックしていく
それぞれ詳しく解説します。
運営目的とKPIを定める
オウンドメディアを立ち上げる際は、まずその運営目的とKPI(ゴール)を明確に設定しましょう。
曖昧な目的やゴール設定ではなく、具体的に数値に現すことが大切なポイントです。
オウンドメディアを通して、具体的にどのような結果が欲しいのか、目標設定を数字化することが、成功への一歩です。
例)
運営目的
・自社のブランディング強化
・見込み客の商品に対する意欲、関心の増加
KPI設定
・1ヶ月あたりの目標PV数、閲覧者数、問い合わせ件数、購入者数
・セッション数から問い合わせ数の割合が○%アップ
達成したいゴールによって、運営手法や記事の内容、発信方法も変わってきます。
ゴール設定から逆算して、オウンドメディアの運用方法を考慮すると、方向性も定まりやすくなるでしょう。
自社の方針やオウンドメディアの軸を定めて、一貫性のあるメディアにすることを目指してください。
ターゲットとテーマを策定する
BtoBオウンドメディアでは、ターゲットとテーマを絞って、コンテンツを制作することが重要です。
オウンドメディアに訪れるユーザーのニーズはそれぞれ異なります。
ニーズに合った情報を提供するためにも、ユーザーが求めている情報を的確に把握し、ピンポイントで紹介することで、ユーザーの要望に答えていきましょう。
そうすると、ユーザーの興味や関心を高めることに繋がり、商品/サービスの問い合わせや申し込みといったアクションが期待できるようになります。
押さえておきたい「コンテンツマーケティング」とは?
コンテンツマーケティングは、コンテンツを用いたマーケティングを指し、ターゲットユーザーが最も価値を感じる内容や情報を発信してコミュニケーションを図ります。
その中でも、ターゲットを狙って情報を発信する戦略が、成果を生み出す秘訣と言っても過言ではありません。
アメリカでは、特にコンテンツマーケティングが盛んで、その理由はBtoB企業のユーザー側の年齢層が若くなってきていることが影響しています。
インターネットを活用した情報収集で購入を決める企業が増えており、日本でも同様にコンテンツマーケティングが取り入れられ始めました。
ターゲット企業の抱えている悩みや課題を認識し、どんな提案ができるのか、テーマを絞ってコンテンツを発信しましょう。
カスタマージャーニーマップを作成する
「カスタマージャーニーマップ(Customer Journey Map)」は直訳すると「顧客の旅の地図」です。
見込み客(企業)から実際に商品やサービスを購入してもらうまでのプロセスとなる行動や思考、感情の移り変わりをまとめた地図のようなものを指します。
カスタマージャーニーマップでは、以下の点を明確にしましょう。
- ユーザーの抱えている悩みや課題
- 想定する検索キーワード
- 記事に対する反応とその後のアクション
- 実際に購入する際の検討事項
ターゲットユーザーがコンバージョンするまでの各段階を深く掘り下げていくことで、自社とその商品/サービスの特徴・役割を改めて深く理解することができます。
ターゲットユーザーの立場になって分析することで、効果的な営業方法や販売手段などが見えてくるでしょう。
CMSを導入しコンテンツをストックしていく
方向性が決まったら、CMSを導入し、コンテンツを準備していきます。
「CMS(Content Management System)」とは、「コンテンツ管理システム」のことで、オウンドメディアなどのウェブサイトに使われるシステムを意味します。
ウェブサイトに必要なプログラムやテキスト、画像、テンプレートといった情報を保存し管理するシステムで、オウンドメディアの運営をスムーズに手助けしてくれるものです。
CMSを導入するまでは専門的な知識が必要ですが、導入後の運用フェーズにおいては、ウェブの知識がなくてもワードを書く感覚で記事の公開ができるようになります。
CMSの導入は専門業者に依頼し、商品やサービスの紹介となる記事制作は自社で制作するか、記事のみを業者に依頼する形が一般的です。
BtoB企業がオウンドメディアを成功させるポイント
BtoB企業がオウンドメディアを賢く運営する上で、押さえておきたい要点は以下が挙げられます。
- 運営目的を明確にする
- セッション数を意識してコンテンツを作成する
- コンスタントに発信し、内容を最新に保つ
- 問い合わせなどの動線をきちんと設計する
- 無理なく運営できる体制をつくる
詳しく解説していきます。
運営目的を明確にする
運営目的は漠然としたものではなく、はっきりと明確化し、具体的な数値にして現すことが成功の秘訣の一歩です。
当たり前のように感じられるかもしれませんが、出来ていないケースが多々あります。
何を目的にするかによって、打ち出す施策が変わるため、目的が定まらずにただオウンドメディアを立ち上げて、闇雲に情報を公開しても意味がありません。
運営目的が定まれば、自社の中での意思疎通もスムーズになり、企画やアイディア、改善案などが出しやすくなるといったメリットがあります。
セッション数を意識してコンテンツを作成する
セッション数とは、特定の期間内にウェブサイトへ訪問したユーザーの訪問回数のことで、オウンドメディアを分析していく上で必ず見ていく必要がある指標の一つです。
セッション数が多ければ、それに伴いコンバージョン数(資料ダウンロードや問い合わせ数などの目標数値)も上がることが期待されます。
どんなに良いオウンドメディアを作ったとしても、それを見てくれる人、つまりセッション数が少なければ、問い合わせや購入には繋がりません。
例えば、セッション数を増やす施策のひとつに「検索ボリュームが多い記事を作成する」方法があります。
製品と関連する検索数が多いキーワードを使って、記事を書き、アクセスアップを図る手法です。
記事を公開した後、セッション数はどれぐらいか、週に1度はチェックしましょう。
オウンドメディアを正しく分析するためにも、アクセス数やセッション数がを把握していなければ検証ができません。
できる限り多くのユーザーの目に留まるように、ターゲットユーザーに検索されるキーワードを考え、コンテンツを制作することがポイントです。
ただ単に、商品紹介や宣伝をするのではなく、企業独自のストーリーや背景を商品/サービスと共に紹介することで、ユーザーに印象付けができるでしょう。
コンスタントに発信し、内容を最新に保つ
BtoBオウンドメディアでは、常に最新の情報を顧客に提供することが求められます。
せっかくオウンドメディアを運営していても、記事の更新が継続できていなかったり、間違った、古い情報のまま記事を公開していたら、自社の信用を失ってしまうためです。
新しい記事を定期的に公開するスケジューリングと、過去記事の情報が古いままではないかチェックする体制を整えて徹底しましょう。
情報は時代と共に変わっていきます。情報が古くなっていたら、リライトに取り組み、常に最新の情報を発信するように努めましょう。特にリライトは、疎かになったり忘れがちになるため、記事を書くときに初めからリライトするスケジュールまで組むと忘れることなく取り組みやすいです。
リライトする際は、記事にどのような情報が不足しているか、改善点を入念にリサーチして「ユーザーのニーズは何か?」と仮説を立てながら、執筆しましょう。
内容をリニューアルする必要がなくても、検索エンジンからのクリック率(CTR)が改善されるようにタイトルや説明文(discription)を工夫する事で、流入数を増やす事に繋がります。
社内で記事のリソースが確保できないのであれば、ライティングスキルを持ったプロの人材に依頼するのも良いでしょう。
オウンドメディアの運営を通して、どのようなコンテンツが需要があるか、反響を分析しながら、記事を更新していくことが成功する秘訣です。
問い合わせなどの動線をきちんと設計する
オウンドメディアのアクセス数が増加しても、そこから問い合わせや商品/サービスの購入に繋がらなければ、改善する余地があります。
まずは導線を見直しましょう。
ユーザーからのアクション(問い合わせ/資料請求/購入完了)がアクセス数と共に増加しない場合は、資料ダウンロード/問い合わせのボタンやページをチェックします。
- 記事のページから誘導したいページへのリンクは設置できているか
- 問い合わせしたくなるように働きかけているか
- 問い合わせページにエラーが発生していないか
- 入力フォームに問題はないか
自社のスタッフは目が慣れてしまって判断がつきにくいケースもあります。
その場合は外部の人に頼んで記事を見てもらうのも得策です。
また、中には「一旦問い合わせをすると、もう引き下がれないのではないか」とプレッシャーに感じさせることもあります。
その場合の対応策として、資料ダウンロードやメルマガの登録、無料見学会の申し込みなど軽めのアクションをしてもらう方法があります。
顧客を育てるつもりで運用する目線を持つことが大切です。
無理なく運営できる体制をつくる
オウンドメディアを長期的に運営していくためには、無理なく継続できる体制づくりをおこなうことがポイントです。
更新をコンスタントに続けていくためにも、コンテンツ制作の流れをシステム化し、安定したペースで続けていけるように取り組みましょう。
コンテンツ制作チームを組んで、誰がどの役割を担うか、どのくらいの頻度で更新していくかなどを、初期段階で明確に決めておくと、記事更新の作業が定着化します。
全て自社で対応するとなると、メディアが大きくなればなるほど負荷がかかってきます。
ライティングやSEOは外注するなど、外部スタッフをうまく活用できれば、本業に力を注げるでしょう。
ある程度コンテンツが蓄積されたら、レビューをする機会も作ってください。
反響がある記事と無い記事、それぞれ何が良くて何が悪いのか、数値と共に分析し、チームで改善案を出し合います。
オウンドメディアの良いところは、数値が目に見えるため、良い悪いがはっきり把握でき、早急に改善策が打てることでもあります。
オウンドメディアの運営は、トライアンドエラーで成功に導いていきましょう。
成功しているオウンドメディア事例11選
BtoBオウンドメディアを上手に活用し、売り上げアップに成功している企業の事例を紹介します。
他社のアイデアを参考にしながら、BtoBオウンドメディアのコンテンツ制作に役立てて売り上げ拡大を目指しましょう。
株式会社キーエンス「バーコード講座」
「バーコード講座」は、株式会社キーエンスによる、バーコードの基本原理からJANコードやcode39の構成や使用例、QRコードに代表される2次元コードの仕組みなどについて、わかりやすく解説されているBtoBオウンドメディアです。
ターゲットは解析機器/測定機器などを開発している企業で、専門性が高く高度な知識が求められます。
記事は非常に丁寧に、詳細までしっかりと書かれているため、信頼性も高く、たとえアクセス数が少なくても、必要な人に届けばその後の資料請求や問い合わせに繋がりやすいサイトと言えるでしょう。
freee株式会社「経営ハッカー」
「経営ハッカー」は、クラウド会計ソフトで知られるfreee株式会社による、経営者・個人事業主に役立つ情報提供の場として運営しているBtoBオウンドメディアです。
テーマは、「会計、経理、人事労務、税務、確定申告、給与計算、起業、会社設立」などで、記事は会計士や税理士などの専門家に外注して執筆されています。
情報量、記事数が多く、ビジネスにまつわる様々なトピックに対応しているため、アクセス数も多いことが伺えました。カテゴリーは個人・法人と分けられており、記事の種類も明確なため、ユーザーが迷わず読みたい記事にアクセスできます。
その他にも、サイト内の記事検索から、ユーザーが気になるキーワードで検索できるようになっているので、ユーザーが今まさに求めている情報がすぐに見つかるよう設計されています。
会計について初心者でも、インタビュー記事などを掲載することで取り組みやすさが感じられます。
難しいテーマではありますが、ユーザビリティの高いサイト設計と、初心者に訴求していくコンテンツの配信から、考え抜かれた運営であると言えるでしょう。
株式会社LIG「LIGブログ」
「LIGブログ」は、株式会社LIGによる、ウェブサイト、アプリ開発、メディア運営に関する情報発信をしているオウンドメディアです。
BtoBオウンドメディアの成功例としても有名なサイトでもあり、ユーザーの再訪やファンの定着化がしやすいといった特徴が見られました。
ユーザーに有益な情報を発信するだけではなく、自社独自の魅力や個性を伝えたり、社員の個性をうまく活用して彼らをインフルエンサーにしたりと、企業の個性をアピールするオウンドメディアの活用方法として非常に優れています。
多くのPV数を稼ぐ人気エンタメ記事から、SEOなどの情報系の記事まで幅広く対応しているのも強みです。バラエティに富んでいるので、毎日読んでも飽きないのではないでしょうか。
コクヨ株式会社「コクヨマガジン」
「コクヨマガジン」は、文房具やオフィス器具などの販売事業をしている、コクヨ株式会社が運営するオウンドメディアです。
主にビジネスパーソン・学生に向けて、ワークスタイル全般を発信しています。
記事は「学ぶ」「働く」「暮らす」「子育て」といったライフスタイルに合わせたカテゴライズで、さらにハッシュタグやキーワード検索ができ、内容はユーザーの日常に寄り添った興味を惹きやすいコンテンツでした。
文房具と生活をリンクさせたコンテンツを発信することで、潜在的な見込み顧客に対して自社製品への関心を持ってもらうことが狙いではないでしょうか。
サイボウズ株式会社「サイボウズ式」
「サイボウズ式」は、働き方・業務・組織などのビジネスコンテンツを主に発信をしている、サイボウズ株式会社によるオウンドメディアです。
週に3回程度コンスタントに記事が更新されているため、読者が定着しやすいのが良い点です。
タグや気になるワード検索では、ユーザーが求めている情報を見つけやすいようにしてあり、SNSのシェアボタンの数も、サイト内の上部と下部に、また記事内にも目立つ位置に配置されているため、ユーザーが気軽にシェアしやすいよう工夫が施されていました。
文字の記事だけではなく、動画形式で発信活動をしている点も魅力の一つです。
ライターや従業員の人物写真を掲載して、読者に親近感を持ってもらうようにするのも、自社のファン化を増やす工夫として有効です。
株式会社サイバーエージェント「CyberAgent Way」
「CyberAgent Way」は、株式会社サイバーエージェントによる、技術・デザイン・IR・企業文化の紹介などをしているオウンドメディアです。
オウンドメディアを通して、自社採用の強化を狙っています。従業員をまるで俳優やタレントのようにビジュアル演出をすることで、企業に対する憧れを読者に与えているように伺えました。
フォトギャラリーを使ったり、おしゃれなデザインで、ブランディングへの意識の高さがわかります。
従業員インタビューの記事では、サイバーエージェントで働きたいと思わせるような発信活動をしているので、特に採用ブランディングを強化したいメディアを作りたい方にとって、良いお手本となるでしょう。
エンタメ要素が強いオウンドメディアなので、主に若年層に興味を持ってもらいたい企業は参考にしてみてはいかがでしょうか。
株式会社リクルートホールディングス「Inside Out」
「コーポレートブログ:Inside Out」は、株式会社リクルートホールディングスによる、コーポレートブログで、企業情報や事業紹介など、社内の取り組みを発信しているオウンドメディアです。
リクルートホールディングスは、世界中のステークホルダーに向けて、自社の事業を発信しています。
「サービス」「リーダーシップ」「サステナビリティ」といったジャンルの記事が発信されていました。
ビジュアルもシンプルで派手すぎず、企業の方針やビジョン/ミッション/バリューズ、会社の歴史など、詳細に記載されているため、企業に対しての安心や信用度を与えたいといった狙いが予測できます。
大企業のフォーマルなオウンドメディアですが、CEOや役員からのメッセージを、実際の人物写真や動画を使って発信しており、親しみが湧きやすい印象が持てました。
企業ブランディングに特化したオウンドメディアを作りたい企業は、参考にしてみてはいかがでしょうか。
東洋インキ株式会社「1050+」
「東洋インキ 1050+」は、東洋インキ株式会社による、持続可能な社会を目指すために環境に良いインキの選び方・色彩学などの情報発信をしているオウンドメディアです。
検索キーワードが近年増加している「SDGs」や「持続可能な社会」といった環境に関するキーワードと、自社製品を組み合わせた記事が目立ちました。
人気アーティストを起用したインタビュー記事では、そのアーティストのファンからの来訪も期待できるでしょう。
商品/サービス情報そのものに対するニーズが低くても、他の人気や旬の話題を利用することで、自然と自社製品に興味・関心を持ってもらうよう、うまく戦略を立てているオウンドメディアと言えます。
株式会社ガイアックス「ソーシャルメディアラボ」
「ソーシャルメディアラボ」は、株式会社ガイアックスによる、SNSマーケティングに関するコンテンツを提供しているオウンドメディアです。
BtoB企業向けに、どうやってSNSアカウントを活用していけば良いか、SNSでビジネスを成功させるハックを紹介しています。SNSマーケティングは、企業はもちろん個人のスモールビジネスをしている方にも有効なため、幅広いユーザーにアプローチできるでしょう。
記事のキーワードに加えて「Facebook」「Twitter」「LINE」「Instagram」などプラットフォームにわけてカテゴライズされているため、必要な情報を簡単に探すことができます。
マーケティング支援に関連した事業の方は参考にしてみてはいかがでしょうか。
KDDI株式会社「TIME & SPACE(タイムアンドスペース)」
「TIME & SPACE(タイムアンドスペース)」は、KDDI株式会社による、モバイル通信などのネットワーク技術を使った企業向けの情報発信をしているオウンドメディアです。
KDDIの製品を扱った情報だけではなく、「サステイナビリティ」「社会」「環境問題」に関する記事が書かれてあり、通信に直接興味がないユーザーでも楽しめる内容になっています。ユーザーは既存顧客はもちろん、新規顧客の獲得も狙っているオウンドメディアと言えるでしょう。
中でも目を引いたのは、「災害時に役立つ情報」「都市や地域に関する情報」「途上国に関する情報」で、ユーザーが訪れた際に思わず読みたくなる記事ではないでしょうか。
誰もが知る有名な企業で、すでに商品やサービスの認知が高い場合、商品/サービス紹介よりも情報提供を主に目的としたオウンドメディア運営をおこなうことで、ブランディングが図れているでしょう。
株式会社マネーフォワード「Money Forward Bizpedia」
「Money Forward Bizpedia」は、株式会社マネーフォワードによる、会計・経理・人事労務のお金にまつわる情報を提供しているオウンドメディアです。
ウェブサイトに、問い合わせや資料ダウンロードなどのバナーを目立つ位置に複数設置しておくことで、ユーザーからのアクションを狙っているのが伺えました。豊富な種類の役立つ資料を無料でダウンロードができるなど、ユーザーに積極的にアピールすることで、思わずクリックしてしまうようなサイト構成になっています。
バックオフィス担当者や個人事業主向けに、すぐに実践できるような役立つ情報を発信していました。
まとめ
本記事ではBtoBビジネスをしている企業が、これからオウンドメディアを始める際に、どのように始めていくのか、また、運営する際に押さえておくべきポイントについて、解説しました。
実際に、BtoBオウンドメディアを運営している企業の活用事例も紹介しているので、自社のオウンドメディア運営に役立てられてはいかがでしょうか。
「これからオウンドメディアを立ち上げたい」「オウンドメディアをもっと成長させたい」という方は、お気軽に弊社までお問い合わせください。